2008年05月03日

学問は人を変える(斉藤一斎「言志録199」)

学問は人を変える(斉藤一斎「言志録199」)

人は天から受けるところの気は、その厚いと薄いと分け与えられている分量はだいたい同じようなものである。

身体の大小、寿命の長短、力の強弱、心の賢愚といったものは、誰でもそれほど大きな差があるわけではない。その間に、特に一箇所厚いところを授けられた者があれば、人々はみな、これを非凡という。

この非凡なる者はしばらく問題の外に置いておこう。すなわち普通の人にあっては、身体の大きさや力の強さの分け前はどうすることもできない。

しかし、心の賢さや愚かさについては、学問によって変えることができるのである。

ゆえに『中庸』に「博く学び、審らかに問い、慎んで思い、明らかに弁別し、誠実に実行する。

人がこれを一回するなら自分は百回行い、人がこれを十回するなら自分は千回行う。果たしてこの方法を実行すれば、愚者であっても必ず強くなる」とあるように、こうした方法を励行すれば、少しずつでも非凡な域に近づくことができる。

誠にこれは道理に敵っているといえる。

ただし、普通の人はたいてい遊び怠けてしまい、努力を続けることができないものである。これには何か天の算段があるのであろうか。
                       (斉藤一斎「言志録199」)
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:32Comments(0)TrackBack(0)斉藤一斎「言志四録」