切れ味は内に秘める

ノグチ(noguchi)

2008年06月14日 06:54

切れ味は内に秘める

 鋭い切れ味は、十分に磨いておかなければならない。ただし、切れ味は内に秘めて、おっとりと構えている必要がある。昔から、禍えおこうむるのは、十人のうち九人が切れる人物であった。おっとりした人物で禍をこうむったものは一人もいないのである。

 ところが近ごろの人間は、ひたすら切れ味の鈍さだけを心配している。これは愚か以外のなにものでもない。

 人間には、四つのタイプがあるのだという。

  かしこかしこ :賢いことを表に出し続ける
  かしこあほう :賢くみせて実は中身が無い
  あほうかしこ :無知・無関心を装い、実は賢い人間
  あほうあほう :全くの無知、無関心

 言うまでもなく、理想は「あほうかしこ」である。ここで呂新吾が語っているのも、これに近いかもしれない。
(守屋洋訳『申吟語』、第2章:修養について)


(感想)
 さっそうと、いつも先頭を走り、ニュースのなる人たちがいます。人の話題・アイデアをつまみ、それを利用して人々を魅了する人たち、社会を上手く泳ぐ人たちと言えるかもしれません。

 でも、長い年月を経て行くと、だんだん中身が見えてきます。信用とは、そんなものかもしれません。ライブドア、グッドウィル、かつてあったものといえば、ねずみ講、豊田商事、もそうかもしれません。

 「あほうかしこ」、先人たちの知恵を時々は、読み返すゆとりこそが大事なことのように思います。


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