みずからの徳性をたかめことから
みずからの徳性をたかめことから
(現代語訳)
上は天子から下は一介の庶民に至るまで、すべての人びとがみずからの徳性を高めること、これが基本である。この基本がなおざりにされていながら天下国家がうまく治まったという例は、かつてなかった。また、家を斉えることを軽んじていながら、それで天下国家がうまく治まったという例も、かつてなかったのである。
(解 説)
「修身」とはみずからの徳性を高めることである。信頼されるリーダーを目指すためには、これが基本になるだという。
「修身」というのは、往々にして誤解されているように、上の者や周りの者から「ああせい、こうせい」と押しつけられるものではなく、自分で自分を磨くための自覚的な努力なのである。説得力のあるリーダーを目指すには、これを怠ってはならない。
(感想)
修身の「身」を身心と捕らえると、身体の健康管理と心の修養が必要と思います。
身体に無理の無い日々の行動、そして精神的な安楽も必要と思います。
心の育成は、知識を増やし、人と語り、考えること、を日々の生活の中で続ける以外に方法はないように思います。精神修養の行き着くところはないと、先輩からも教示を受けました。驕らず、怠らず、謙虚に学ぶことを続けていく「意識」こそが大事なのかもしれません。
*参考資料:守屋洋訳編「大学を読む」
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