聖人のみが、性(五倫五常)を完全に自覚し発揮できる『中庸』

ノグチ(noguchi)

2012年08月08日 11:32

<修己治人>聖人のみが、性(五倫五常)を完全に自覚し発揮できる(『中庸』)

深夜のサッカー応援、ご苦労様でした。残念でしたが、男子サッカーの快進撃もメキシコに阻まれました。でも、隣国との戦いになりましたが、44年ぶりの銅メダルをかけた戦いに、再度応援をしたいと思います。日本の若武者たちにエールを送りましょう。

さて、早朝のウォーキングが4日目、身体も慣れてきてきました。要は、朝起きができるように、前日に夜更かしをしないようにと思いますが、オリンピックの間は無理かなと思います。全国的に睡眠不足と思いますが、居眠り運手には気をつけて下さい。

夏休み、冬休みくらしか、参加できない不真面目塾生の私が所属する関西師友会熊本支部が、毎月熊本市南部の健康センター会議室で例会を開いています。今月は、中国古典の『中庸』について、安岡正篤先哲の教えを学ぶ関西師友会熊本支部の例会で学んだ。中庸の第22章は、一人の人間として行動について教示している。

(転載、現代漢字に変換)
 唯天下の至誠のみ、能(よ)くその性を尽くすことを為す。能くその性を尽くせば、即ち能く人の性を尽くす。能く人の性を尽くせば、即ち能く物の性を尽くす。能く物の性を尽くせば、即ち以て天地の化育を賛す可(べ)し。以て天地の化育を賛す可ければ、即ち以て天地を賛す可し。

〈現代語訳〉
 ただ天下の誠、すなわち聖人のみが、自分の生まれながら天より与えられている性を完全に自覚し発揮することができる。その性を尽くせば、他人の性をも尽くすことができる。人の性を尽くせば、すべての物の性を尽くすことができる。すべての物の性を尽くすことができれば天地の生々化育のはたらきを助けることができる。そのように天地の生々化育を助けることができれば、天地人の三方(はたらき)として天地と肩を並べて立つことができるのである。

*注釈
1.性 :五倫五常のこと。人として常に踏み守るべき道徳のこと。儒教の教え。「 五倫」は基本的な人間関係を規律する五つの徳目。父子の親、君臣の義、夫婦の別、 長幼の序、朋友の信。「五常」は仁・義・礼・智・信の五つ。
2.万物 :自然界の全ての物。社会も含む。
(以上、転載)

簡単に言えば、自分の言動に誠心誠意を尽くしていれば、周りの人にも影響を与え、さらに自分の身の周りの万物(地域、自然、等々)にも良い影響を与える。自然会の植物もよく育つ、動物もよく育つ、ひいては自分自身にも影響を受ける。天の教示を受け徳(誠)を育てる。実践を通して、回りへ影響を与える(感化する)ことができる。

第20章のまん中あたりに、聖人についての教示があります。

「誠は天の道なり。之を誠にするは、人の道なり。誠に務めずして中(あた)り、思わずして得(え)、従容として道に中るは聖人なり。之誠にするは、善を選びて固く事を執る者なり」

誠(良心)に直に従い、自身の言動に務め、周りの範となることの奨めと、勝手に解釈している。修己治人:己を修養(鍛錬)し、人を治める。率先垂範こそ、リーダーの心得と思います。

*参考資料:伊牟田学訳著『仮名中庸』

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