「人に千日の好なく、花に百日の紅なし」期待はそう長続きしない

ノグチ(noguchi)

2012年03月14日 21:04

「人に千日の好なく、花に百日の紅なし」~期待はそう長続きしない~

 これは、4年前にmixiで紹介したものだが、最近のリーダーたちの言動を見るに、再度書いてみた。

(現代)
 事業が行き詰まって進退きわまったときには、初心に立ち返って失敗の原因を考えて見るがよい。
 事業が成功してすでに頂上をきわめたときは、いさぎよく身を引くことを考えなければならない。

(解 説)
 「人ニ千日ノ好ナク、花ニ百日ノ紅ナシ」、つまり全盛期は、長く続かないという教示。頂点を極めたその瞬間に、早くも引退の準備にかからなければならない。

 『老子』に、「功遂ゲ身退クハ、天ノ道ナリ」とあり。『史記』にも、「四時ノ序、功ヲ成ス者ハ去ル」とある。だが、現実には、「進ムヲ知ッテ退クヲ知ラズ」(『易経』)で、引退の潮時を誤る者が少なくない。

 ここで洪自誠が戒めているのも、そのことである。 

(感 想)
 「自分は、よく見えない」と、地位にこだわり、苦杯を飲んだ人を、色々な本で読む。「進ムヲ知ッテ、退クヲ知ラズ」は、退き易きように後継者を育てることの大切さを説いていると思う。

 また、絶頂期は長く続かないことも知っておいて損はない。「人ニ千日ノ好ナク、花ニ百日ノ紅ナシ」を読むと、古き時代から人間の迷いが、幾度となくくり返されて来たのだろう。

 平家の絶頂期が長く続かなったことを語った「驕れるものも久しからず・・・」にも表れています。「初心に返れ」、「引き際を誤るな」は、事業を行う者として、決して忘れてはいけない教訓と思います。

「人ニ千日ノ好ナク」

 これは、逆に読むこともできると思う。「人の期待(好)は、千日は続かない」。日本の総理大臣は、21世紀になり、何人目だろうか。2年を持たずに、多くが退陣して来た。野田首相の在位は別として、千日くらいまでには、何がしかの成果を求めるのが、国民の心理と思う。
 橋下市長の言動に、国民が惹かれるのは、分かる気がする。情報化の時代、人々の心理は、千日よりも短く成果を求めているように思います。

 政治は、半世紀。自然は、1世紀の視点が要るとも言われる。これからの政治家は、この両方の感覚を持つ必要があるように思う。

*参考資料:守屋洋著「新釈 菜根譚」より

関連記事