恩恵は後になるほど手厚く(菜根譚)

ノグチ(noguchi)

2008年08月06日 08:33

恩恵は後になるほど手厚く(菜根譚)


(現代語訳)

 恩恵を施すときには、はじめはわずかで、後になるほど手厚くしていくのがよい。初め手厚くして音でけずっていけば、相手は恩恵を忘れてしまう。

 威厳を示すときには、初め厳しくして、後になるほどゆるめていくのがよい。初めゆるくして後で厳しくすれば、相手は厳しさに耐えかねる。


(解 釈)

 ふつう恩恵はだんだん減らしていくケースが多いのだが、これでは効果がなくなるどころか、相手の怨みまで買ってしまう恐れがある。

 また、厳しさは必要であって、これがないと組織に対して抑えがきかなくなる。ただし、こたらのほうは初め厳しさを見せておくのがよいのだという。


(感 想)

 人の心の動き、欲求、評価等を検証した名言と思います。誉めればつけ上がる、けなせば落ち込む、塩水を鯛を泳がせ、少しづつ真水にかえると、真水で鯛が泳ぐと言います。慣れ、慣習は、最初の出だしが大事なようです。

>恩恵を施すには、はじめはわずかで
>威厳を示すには、初め厳しくして

二つの手法を頭に入れつつ、人と接していきたいと思いました。
先人の人間観察力の知恵は素晴らしいと思います。

なんでも、最初に打ち出す方針が大事なのようです。

参考資料:守屋洋著「新釈 菜根譚」

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