2021年10月18日

人の心を満足させることはむずかしい。〜菜根譚〜

人の心を満足させることはむずかしい。〜菜根譚〜

最近、怨恨やストーカーから、放火殺人や複数人の殺傷事件が続けてニュースで報じている。人の欲望の腹いせからの恨みによる殺人の恐ろしさに、背筋が寒くなる思いを持つ。

『菜根譚』に、以下の訓示があった。

「人の心を御(ぎょ)し難い」

人の心を制御することが、いかにむずかしいか!

解説文にも、以下の言葉があった。

(以下、本より天才的

古い言葉にも「猛獣を降伏させることはやさしいが、人の心を降伏させることはむずかしい、深い谷を埋めることはやさしいが、人の心を満足させることはむずかしい」と言っている。
(以上、『菜根譚』後集No.64解説より)

猛獣や敵を降伏させることはできるが、自らの心を制御することはむずかしい。

目的を達成することはできるが、進化し膨れる欲望を抑えることはむずかしい。

古い時代にも、同じような人の営みがあったのだろう。自らの心とどう付き合って行くか、いくつになっても悩むことです。

陽明学に、抜本塞源論なる教えがあります。

心が欲する"悪意"の素を断つ。

"悪意=欲"の素ができることを抑え込む意志が大事、と王陽明は考えた。

欲望が表面化(心に留まる)する前に、断ち切ることが必要と説いている。

抜本塞源論は、老若男女の全ての人間に共通する人の欲望を抑える考え方です。

これは、"足るを知る(知足)"の教えよりもきびしい教えと思っています。


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