2009年02月23日

無欲になって勝つ~10倍の兵力に勝った曹操の志~

無欲になって勝つ~10倍の兵力に勝った曹操の志~

 三国志の英雄の一人「曹操」が、天下を治めるきっかけとなった戦い「官渡の戦い」は、袁紹軍十余万、曹操軍一万足らず、戦前状況からすればとんでもないハンディでしたが、結果は大勝利でした。

 三国について書かれた解説本に、この戦前状況の中で、部下に士気を高め続けたリーダーの決断を確信させてものに、「無欲」という気運(踏ん切り)があったと書かれていました。曹操は、

「どうくらべても、こちらに勝ち目はない。しかたない、国のために死のう、正義のために身命をなげうとう。そうすれば後世に名が残るだろう」

と、こんな心境であったのではないでしょうか。

 しかし曹操の勝利は幸運だったからだと、本人が述べていますが、「勝ち目ない」と悟り、プレッシャーから抜け、状況をつぶさに分析し、的確に対処できた事が良かったのではないかと思います。

曹操の言葉かはわかりませんが、

「死に投じ国のためにせん、義をもって身を滅ばすは、のちに垂るるに足る」
と、あります。捨て身の心境こそ、道を拓くきっかけにつながったのだと思います。

 我欲から公欲に、視点が変ったことが、言動もそのような主旨を語ることで、敵陣の兵士にも思いが伝わり、恭順する仲間が増えて行って、勝利の要因になったのだと思います。 無欲こそ勝利の意味を考えた言葉と思います。

*参考資料:丹羽隼兵編著「三国志」より


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Posted by ノグチ(noguchi) at 00:20│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
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