2008年09月18日

君子は交わりを絶ちても悪声を出さず(史記)

君子は交わりを絶ちても悪声を出さず(史記)

 今朝は、中国の粉ミルク事件が報じられていた。日本でも戦後、粉ミルク事件で大きな被害を出したが、社会が成長するときは、似たような事件、事故があるという気がします。
 
 さて、中国古典の故事に色々と心を育てる言葉をもらっていますが、そのひとつが今日目に留まりました。友達付き合いは、なかなか骨の折れるような気分を味わう事があります。しかし、不愉快な言葉をかけられるのは、意外に以前、自分が語った言葉が原因があったりするのです。中国の『史記』の中にある一節ですが、守屋洋氏の「中国古典一日一話」にありました。

「君子は交わりを絶ちても悪声を出さず」

(本 文)
 仮に交友関係を絶つことがあっても、「あいつはひどい奴だ」といったたぐいの非難めいたことはいっさい口にしない、これが君子の交わりなのだという。(中略)
 なんらかの事情で(たとえば配信行為)で交際を絶つことになっても、相手の悪口はけっして口にしない。これには、二つの理由が考えられる。

1.そんな相手を友人に持ったということは、自分に人間を見る眼がなかったからであり、それをみずから吹聴することになる。 

2.悪口は必ず相手の耳に入り、いつかどこかで反撃され、一つもプラスにならない。
(以上、「中国古典一日一話」引用)

 先人の信用を壊さない知恵、誹謗を予防する知恵、更には、人物評を常に心に持ち交友をする大切さを教えられます。

 遠方の先輩から、たまに電話をもらう事がありますが、まるで近くで見ているかのように、私の心のあり様に触れる言葉が出てきます。離れていても、その人を思うことがあれば、時々知らせや、手紙で心情が判るのかもしれません。

 友とは良いものだとつくづく思いますが、離れた後はいっさい悪口を口にしないことも忘れないように、日々に言動に気をつけることも、自分の信用を保つ方法かもしれません。

*守屋洋著「中国古典一日一話」より 


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Posted by ノグチ(noguchi) at 08:40│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
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