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2020年01月06日

<中国故事>「天が、越を我が国にくださったのです。情けは無用ですぞ」〜呉王夫差のの家臣・伍子胥(ごししょ)〜

権力(地位)闘争に情けは無用。<中国故事>「天が、越を我が国にくださったのです。情けは無用ですぞ」〜呉王夫差のの家臣・伍子胥(ごししょ)〜

大陸の権力闘争は凄まじい。しかし、その中身は国家を安定させ、民を安心させることにつながる。現代でも参考になることも多いのです。

四字熟語の「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」がありますが、その意味は歴史に起因しています。

呉王の夫差が、越王勾践(こうせん)を打ち負かす状況になった時に、"和議"を申し入れてきた。夫差の家臣の伍子胥は、
「天が、越をわが国にくださったのです。情けは無用ですぞ」
と突っぱねた。

しかし、さらに勾践は、美女と財宝を差し出して和議を画策してきた、伍子胥は、
「いま、とどめをささなければ、必ず後悔する日が参りますぞ。生かしておけば、いずれ我が国の憂いとなりましょう」
の反対を押し切り、降伏を受け入れた。

 許され(降伏し)た勾践は、それからというもの、常に干した肝(きも)を傍において苦さを味わいながら、「これ勾践よ、会稽(かいけい)の恥を忘れるでないぞ」と自分に言い聞かせながら、復讐の念を新たにした。こうして二十年、国力の充実した越はつい呉を打ち破って雪辱をはたしたという。

夫差は、家臣の進言に耳を傾けず、最後のツメの段階で情けをかけたことがあだとなり、逆に息を吹き返した相手にしてやられる羽目におちいったのである。
(以上、『中国人の発想 80の知恵』を引用)

復讐する気持ちを失わないために、乾いた肝の苦さを味わい、毎晩割った薪の上で復讐を誓いを立てた、勾践の史実によるものと言われますが、中国の権力闘争は凄まじい!

しかし人間、国が違えど、権力(地位)闘争にぶち当たった時は、夫差の緩さでなく、勾践の"雅人嘗胆"の闘争心が必要だなぁ、と思います。

「臥薪嘗胆」は、自らの力で復讐を果たす生き方は、今の日本には無い"大陸感覚"では無いかと思いました。

地位はあれど、叩かれたことを忘れず、復讐を誓い、雅人嘗胆の志には、恐れ入る中国人の発想と思います。

中国故事が大好きで、中国古典輪読会で学ぶものとして、「臥薪嘗胆」の大陸感覚は、これからの中国との国交には、欠かせない感覚と思います。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 21:46│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
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