2009年07月06日
(魅力を磨く)道徳を感ずるには、正真正銘の他人が必要だ
(魅力を磨く)道徳を感ずるには、正真正銘の他人が必要だ
道徳観というものは、周りの人々の言動によって多くを学ぶように感じます。昭和の批評家の故小林秀雄氏の著書の名言を集めた「人生の鍛錬」に次の一節があります。
(本文)
道徳を感ずるには、正真正銘の他人が必要だ。そしてそういう他人は、友情という深刻な関係のうちにしか現れない。観察される他人とは亦の他人に過ぎない。反省による自己も亦自分の様な気のする他人に過ぎぬ。(「道徳について」13-82)
(以上、小林秀雄の言葉「人生の鍛錬」より)
学問という言葉を最近よく耳にするようになった。以前は、教育ママ、教育パパ?、などの進学をだけのための教育、戦後の30年代に「受験戦争」という言葉が生れた。太平洋戦争が終わって間もない時期に、子どもたちへの期待から、壮絶な受験勉強の時代が始まった。5時間睡眠、4時間睡眠、まさに戦争状態であります。
しかし、先の見えない時代には、多様な変化を対応できる人間力が求められる。フランスのジャーナリストが、ある番組で語ったことが記憶に残っている。
(フランスの官僚試験)
フランスでは、官僚になるためにはまずペーパー試験を行い、最後に面接試験(口頭試問)を必ずあるそうだ。この目的は、官僚上層部になった時、国家の危機や、事件・事故、更に外交問題で関係国の政変等の対応は、緊急かつ急務を有する事が多い。その心構え(動揺しない気質)を検証するためにあるそうです。
まず多様な知識が無ければ、危機がおよんだとき智恵が生れない。しかし、素晴らしい智恵が生れたとしても、それを決断し行動に移す勇気がなければ、国家のリーダーとしては役を実行できないこととなります。
口頭試問は、ごく一般的な常識が延々と続くのでは、突然に
「君の奥さんが浮気をして、駆け落ちをした。どんな対応をしますか?」
「テームズ川で、一番深いところは水深どれくらいありますか?」
など、それまでの質問とは無縁のことを聞かれ、その答えも評価になるのですが、本人の態度を見ることが最大の目的と語っていました。
リーダーに必要な要素「先見力」「(逃げない)責任」を問う質問と思います。
さらにリーダーに必要な要素が、「魅力(磁力)」ですが、人を惹きつける力(徳)を備えた人物の育成に、「学問」という昔の教育システムを求める気風が広がっていると感じます。
ゲーテの言葉に、次の一節があります。
「人間こそ、人間にとって最も興味あるものであり、おそらくはまた人間だけが人間に興味を感じさせるものであろう」
当たりまえのことと思いますが、ゲーテが言うと心に残る言葉になります。これこそが「徳」ではないかと思います。
*参考資料:小林秀雄の言葉「人生の鍛錬」、「ゲーテの格言集」
道徳観というものは、周りの人々の言動によって多くを学ぶように感じます。昭和の批評家の故小林秀雄氏の著書の名言を集めた「人生の鍛錬」に次の一節があります。
(本文)
道徳を感ずるには、正真正銘の他人が必要だ。そしてそういう他人は、友情という深刻な関係のうちにしか現れない。観察される他人とは亦の他人に過ぎない。反省による自己も亦自分の様な気のする他人に過ぎぬ。(「道徳について」13-82)
(以上、小林秀雄の言葉「人生の鍛錬」より)
学問という言葉を最近よく耳にするようになった。以前は、教育ママ、教育パパ?、などの進学をだけのための教育、戦後の30年代に「受験戦争」という言葉が生れた。太平洋戦争が終わって間もない時期に、子どもたちへの期待から、壮絶な受験勉強の時代が始まった。5時間睡眠、4時間睡眠、まさに戦争状態であります。
しかし、先の見えない時代には、多様な変化を対応できる人間力が求められる。フランスのジャーナリストが、ある番組で語ったことが記憶に残っている。
(フランスの官僚試験)
フランスでは、官僚になるためにはまずペーパー試験を行い、最後に面接試験(口頭試問)を必ずあるそうだ。この目的は、官僚上層部になった時、国家の危機や、事件・事故、更に外交問題で関係国の政変等の対応は、緊急かつ急務を有する事が多い。その心構え(動揺しない気質)を検証するためにあるそうです。
まず多様な知識が無ければ、危機がおよんだとき智恵が生れない。しかし、素晴らしい智恵が生れたとしても、それを決断し行動に移す勇気がなければ、国家のリーダーとしては役を実行できないこととなります。
口頭試問は、ごく一般的な常識が延々と続くのでは、突然に
「君の奥さんが浮気をして、駆け落ちをした。どんな対応をしますか?」
「テームズ川で、一番深いところは水深どれくらいありますか?」
など、それまでの質問とは無縁のことを聞かれ、その答えも評価になるのですが、本人の態度を見ることが最大の目的と語っていました。
リーダーに必要な要素「先見力」「(逃げない)責任」を問う質問と思います。
さらにリーダーに必要な要素が、「魅力(磁力)」ですが、人を惹きつける力(徳)を備えた人物の育成に、「学問」という昔の教育システムを求める気風が広がっていると感じます。
ゲーテの言葉に、次の一節があります。
「人間こそ、人間にとって最も興味あるものであり、おそらくはまた人間だけが人間に興味を感じさせるものであろう」
当たりまえのことと思いますが、ゲーテが言うと心に残る言葉になります。これこそが「徳」ではないかと思います。
*参考資料:小林秀雄の言葉「人生の鍛錬」、「ゲーテの格言集」
「兄・小林秀雄から学んだ感受性の育て方」 高見澤潤子(劇作家
無為な人の心は、心地良い都合の良い場所いる
「七転び八起き」外的偶然を内的必然に変える考え方
円熟とは、忍耐に寄せる信頼(敬意)~小林秀雄~
憎悪とは弱者の固定観念?(小林秀雄語録)
(教養とは)生活秩序に関する精錬された智慧
無為な人の心は、心地良い都合の良い場所いる
「七転び八起き」外的偶然を内的必然に変える考え方
円熟とは、忍耐に寄せる信頼(敬意)~小林秀雄~
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(教養とは)生活秩序に関する精錬された智慧
Posted by ノグチ(noguchi) at 12:39│Comments(0)
│批評家・小林秀雄