2010年11月04日

「進処進退」力をたくわえながら時を待つ

「進処進退」力をたくわえながら時を待つ

「君子は、じっくりと力をたくわえながら、世に出るチャンスを待っている。だが、待っているとはいえ、じたばたしないで、いつも落ち着きはらっている。それというもの、つまらぬことに心が惑わされないからだ。静かに待っているように見えても、気持ちは揺れ動くのは、つまらぬことに惑わされている証拠である。」(近思録)

日々の生業(進処進退)について、中国古典の『荀子(じゅんし)』にも、「遇と不遇とは時なり」ということばがあります。世に認められるかどうかは、時勢のいかんによるというのです。認められるには、時を待つ以外にない。その待ち方は、出処進退の大きなポイントになる。

<三つの言動>

1.へんにじたばたしないこと。
また、情けない顔をしたり、物欲しそうな態度をしない。

2.実力をたくわえることである。
  志を得ないときこそ、じっくりと力をたくわえて将来の飛躍に備える。

3.志を捨ててはならない。

 泰然、備蓄、向上心

日々の行動が、次の飛躍につながるという訓示と思います。志を忘れず、冷えに耐え、閑に耐え、向上心を失わず、謙虚に学び続けることが大事と思います。

*参考資料:守屋洋著「『近思録」の読み方」


同じカテゴリー(故事、名言、訓示、スピーチ)の記事画像
「他はこれ吾にあらず」最後に報いを受けることができるのは行なった人です。
同じカテゴリー(故事、名言、訓示、スピーチ)の記事
 自ら矜(ほこ)らず、故に長たり(老子二十二章)〜いばっている人は孤立する〜 (2025-04-01 21:59)
 「事上磨錬」(じじょうまれん)という言葉〜陽明学〜 (2025-03-02 07:08)
 <平和な世の中>お辞儀は無抵抗を示す姿、握手は武器を確認する行為だった。〜境野勝悟『老子・荘子の言葉100選』〜 (2024-11-26 11:03)
 常を知らざれば、妄(みだり)に作(な)して凶なり。〜『老子』十六章〜 (2024-10-29 06:45)
 「人は誰もが、大河の一滴である」〜五木寛之著『死の教科書ー心が晴れる48のヒントー』〜 (2024-10-16 10:02)
 本来"リベラリズム"で大事なのが人間の心なのです。〜宇沢弘文著『人間の経済学』〜 (2024-09-30 19:50)

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:36│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。