2011年01月07日
年初の読む本、5つの「年頭自警」、一善事と一佳書
年初の読む本、5つの「年頭自警」、一善事と一佳書
私は、毎年、年初の読む本があります。昭和の東洋哲学者の安岡正篤先生の教示を集めた「安岡正篤 一日一言」です。今日は、1月7日ですが、元旦の言葉を紹介します。
・年頭自警
一、年頭まず自ら意気を新たにすべし
二、年頭古き禍根を棄つべし
三、年頭決然滞事(けつぜんたいじ)を一掃すべし
四、年頭新たに一善事を発願すべし
五、年頭新たに一佳書を読み始むべし
上記が、年頭の教示なっています。今日は、尊敬する東京の先達から、年頭の電話があり、今年の活動の抱負を聞かれた。3つのテーマで、計画を準備していることを語り、色々アドバイスと課題を頂いた。ありがたいことだと感謝するばかりです。
さっそく、5番目の佳書を読む始めるべし、を実践するためと先輩の新年の挨拶を兼ねて、県立図書館へ出かけた。年末に借りた本を反し、隣接する近代文学館へ挨拶に行き、色々話をする中で、「君の地元は歴史検証は活発だが、それを後押しする文学に親しむものがない」と指摘があった。そこで、館長へ私の地元の文学的な視点での検証をアドバイス頂いた。講演の約束も取って、さっそく来週から動くことになった。正月早々から、本探しが「一善事を発願すべし」と両方が始まった。
ところで、図書館から借りた本、バルタザール・グラシアン著「賢人の知恵」をさっそく読み始めた。これは、書架を探していて、目にふと止まった本で、240の教示を集めたもので、元は17世紀のスペインの作家のものです。少し初めを読み、心に留まった一節を紹介します。
(以下、転載)
・優れた人とつきあう
人は、誰と一緒にいるかで判断される。
名高く尊敬されるような人と方を並べるのは畏れ多い世才ではあるが、たいへん役に立つ才略でもある。敬愛される立派な人と行動をともにしていれば、その威光のおかげで、こちらまで輝いて見えるものだ。
・萎縮しない
人に対する概念を少しずつ緩めてみよう。恐れなければならないほどの高尚な人などいない。誰に対しても、高貴な人だなと思いこまないように。そうでないと自分の心が畏縮してしまうからだ。いったん話をしてみれば、その偉大さは錯覚だったことがわかるだろう。
誰でも生身の人間で、それぞれ欠点もあれば言い訳もする。人情味に欠ける人のいれば、勇気が足りない人もいる。高い地位の人は、優れているように見えても実質が伴っている人はめったにいないもの。冷静に判断してその思い違いが解ければ、このような人に対しても節度を保って大胆に対応できる。
・友情を育む
友は自分の一部であり、分身である。友人同士、積極的に知恵を分かちあおう。
人は、他人が望むとおりになるものだ。良い人だと思ってもらえるように、周りの人を味方につけよう。人生は持ちつ持たれつ。敵に囲まれているより、友に囲まれて生きるほうがいい。日々友情を探し求めよう。友情の種をまき、新しい友を増やそう。
(以上、「「賢人の知恵」より)
まだ2割も読んでいないのですが、なんか新年から元気と勇気をもらえるように思います。これが、安岡先生が訓示する、新年からの「一善事を発願すべし」に値するかは、読み終えて、この本が何度も読み返したくなるかどうかにあるように思います。
中国古典の数冊は、事あるごとに読み返すのですが、経書に値する本との出会いは、素晴らしい師友に会えると同じくらい楽しいものです。今日は、以前に2度読んだ、「荀子」の解説本を借りて来たのですが、心を鍛える本は、日々の仕事に追われる中で、少しでも自分を取り戻す大切な教示と思っています。
毎年読み始める最初の本は、安岡先生の「一日一言」で、その冒頭の一節が、5つの「年頭自警」です。今日の日記を読んで、感想でも頂けるとありがたいです。
*参考資料:安岡正泰監修「安岡正篤 一日一言」
バルタザール・グラシアン著「賢人の知恵」(齊藤慎子訳)
私は、毎年、年初の読む本があります。昭和の東洋哲学者の安岡正篤先生の教示を集めた「安岡正篤 一日一言」です。今日は、1月7日ですが、元旦の言葉を紹介します。
・年頭自警
一、年頭まず自ら意気を新たにすべし
二、年頭古き禍根を棄つべし
三、年頭決然滞事(けつぜんたいじ)を一掃すべし
四、年頭新たに一善事を発願すべし
五、年頭新たに一佳書を読み始むべし
上記が、年頭の教示なっています。今日は、尊敬する東京の先達から、年頭の電話があり、今年の活動の抱負を聞かれた。3つのテーマで、計画を準備していることを語り、色々アドバイスと課題を頂いた。ありがたいことだと感謝するばかりです。
さっそく、5番目の佳書を読む始めるべし、を実践するためと先輩の新年の挨拶を兼ねて、県立図書館へ出かけた。年末に借りた本を反し、隣接する近代文学館へ挨拶に行き、色々話をする中で、「君の地元は歴史検証は活発だが、それを後押しする文学に親しむものがない」と指摘があった。そこで、館長へ私の地元の文学的な視点での検証をアドバイス頂いた。講演の約束も取って、さっそく来週から動くことになった。正月早々から、本探しが「一善事を発願すべし」と両方が始まった。
ところで、図書館から借りた本、バルタザール・グラシアン著「賢人の知恵」をさっそく読み始めた。これは、書架を探していて、目にふと止まった本で、240の教示を集めたもので、元は17世紀のスペインの作家のものです。少し初めを読み、心に留まった一節を紹介します。
(以下、転載)
・優れた人とつきあう
人は、誰と一緒にいるかで判断される。
名高く尊敬されるような人と方を並べるのは畏れ多い世才ではあるが、たいへん役に立つ才略でもある。敬愛される立派な人と行動をともにしていれば、その威光のおかげで、こちらまで輝いて見えるものだ。
・萎縮しない
人に対する概念を少しずつ緩めてみよう。恐れなければならないほどの高尚な人などいない。誰に対しても、高貴な人だなと思いこまないように。そうでないと自分の心が畏縮してしまうからだ。いったん話をしてみれば、その偉大さは錯覚だったことがわかるだろう。
誰でも生身の人間で、それぞれ欠点もあれば言い訳もする。人情味に欠ける人のいれば、勇気が足りない人もいる。高い地位の人は、優れているように見えても実質が伴っている人はめったにいないもの。冷静に判断してその思い違いが解ければ、このような人に対しても節度を保って大胆に対応できる。
・友情を育む
友は自分の一部であり、分身である。友人同士、積極的に知恵を分かちあおう。
人は、他人が望むとおりになるものだ。良い人だと思ってもらえるように、周りの人を味方につけよう。人生は持ちつ持たれつ。敵に囲まれているより、友に囲まれて生きるほうがいい。日々友情を探し求めよう。友情の種をまき、新しい友を増やそう。
(以上、「「賢人の知恵」より)
まだ2割も読んでいないのですが、なんか新年から元気と勇気をもらえるように思います。これが、安岡先生が訓示する、新年からの「一善事を発願すべし」に値するかは、読み終えて、この本が何度も読み返したくなるかどうかにあるように思います。
中国古典の数冊は、事あるごとに読み返すのですが、経書に値する本との出会いは、素晴らしい師友に会えると同じくらい楽しいものです。今日は、以前に2度読んだ、「荀子」の解説本を借りて来たのですが、心を鍛える本は、日々の仕事に追われる中で、少しでも自分を取り戻す大切な教示と思っています。
毎年読み始める最初の本は、安岡先生の「一日一言」で、その冒頭の一節が、5つの「年頭自警」です。今日の日記を読んで、感想でも頂けるとありがたいです。
*参考資料:安岡正泰監修「安岡正篤 一日一言」
バルタザール・グラシアン著「賢人の知恵」(齊藤慎子訳)
自ら矜(ほこ)らず、故に長たり(老子二十二章)〜いばっている人は孤立する〜
「事上磨錬」(じじょうまれん)という言葉〜陽明学〜
<平和な世の中>お辞儀は無抵抗を示す姿、握手は武器を確認する行為だった。〜境野勝悟『老子・荘子の言葉100選』〜
常を知らざれば、妄(みだり)に作(な)して凶なり。〜『老子』十六章〜
「人は誰もが、大河の一滴である」〜五木寛之著『死の教科書ー心が晴れる48のヒントー』〜
本来"リベラリズム"で大事なのが人間の心なのです。〜宇沢弘文著『人間の経済学』〜
「事上磨錬」(じじょうまれん)という言葉〜陽明学〜
<平和な世の中>お辞儀は無抵抗を示す姿、握手は武器を確認する行為だった。〜境野勝悟『老子・荘子の言葉100選』〜
常を知らざれば、妄(みだり)に作(な)して凶なり。〜『老子』十六章〜
「人は誰もが、大河の一滴である」〜五木寛之著『死の教科書ー心が晴れる48のヒントー』〜
本来"リベラリズム"で大事なのが人間の心なのです。〜宇沢弘文著『人間の経済学』〜
Posted by ノグチ(noguchi) at 17:54│Comments(0)
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