2011年06月05日

千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴を持って潰(つい)ゆ。-韓非子-

千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴を持って潰(つい)ゆ。-『韓非子』-

 万全の準備をしているようで、意外なミスで事業が評価を落とす。東日本大震災の対応で、菅首相はとても低い評価を受けているが、評価は後に出てくる、今は兎に角頑張って被災地の復興に当たって欲しいものです。
 さて、「中国古典一日一話」に、冒頭の言葉があった。

「千丈の堤も螻蟻の穴を持って潰ゆ」

要は、高い堤防も螻蛄や蟻の穴から水が入り、遂には壊すこともある。細事に注意を怠ると、本来の事業も完遂できない教示と思います。

解説の中で、「千丈」とは゛高い゛の意味。『老子』にも、「いかなる難事も容易なことから生じ、いかなる大事も些細なことから始まる」とある。些細なことだとつい油断して対策を怠れば、やがてそれが大事となって、取り返しのつかぬ事態を招くことになる、とあった。
 どんな細事も見逃さず、早め早めに手を打ち、禍を未然に防がなければならない。

今日は、中国古典から教示を一つ学びました。

*参考資料:守屋洋著「中国古典一日一話」


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Posted by ノグチ(noguchi) at 17:48│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
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