2007年09月09日

自分の心に勝つ (克己心)

自分の心に勝つ (克己心)


 まず自分の心に打ち勝とう。そうすれば、あらゆる煩悩を退散させることができる。
 まず自分の気持ちを平静にしよう。そうすれば、あらゆる誘惑から身を守ることができる。

(解説)
 人に勝つのはやさしいが、自分に勝つのはむずかしいとされる。明代の思想家王陽明も、「山中ノ賊ヲ破ルハ易(ヤス)ク、心中ノ賊ヲ破ルハ難(カタ)シ」と喝破しているように、自分の心に勝つといっても容易ではないのである。
 自分に勝つことのできる人こそ強者なのかもしれない。要は、そのための努力を怠ってはならないということである。


 西郷隆盛の遺訓に、「おのれに克つ」の一説に、

(本文より)
 人が知るべき道は、「天地自然」の道です。天地自然の道を知るためには「敬天愛人」を目的として学び続けることです。
 天を敬う。
 人を愛する。
 自分の欲や拘りは、この二つの精神を越えては、けっしていけない。欲や拘りをゼロにせよ、と言うているのでない。「敬天愛人」の精神よりも肥大させてはいけない、と言うのである。
 人は、自分を愛しすぎると、「敬天愛人」の精神を忘れてしまうものです。それが大きな誤りの第一歩となります。
 そのためには、ふだんから学び続ける中で、常に「克己」を心がけることです。
「克己」、すなわちおのれに克つ。・・(中略)


 日常の修養こそが、このおのれに克つ「心」を育て続けると先人が言っているのですが、菜根譚ような生きるための訓示をいつも読むことで、緩んだ心を道に、揺り戻すことができのだと思います。
 安岡正篤先生の「心読」の言葉が表わすように、知識は体現してこそ本物なのかもしれません。

*参考資料:西郷南州遺訓~無事は有事のごとく、有事は無事のごとく~



Posted by ノグチ(noguchi) at 09:04│Comments(0)
 
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