2011年12月26日

年末年始、佐藤一斎の『重職心得箇条』を学ぶ。〈第三条〉

年末年始、佐藤一斎の『重職心得箇条』を学ぶ。〈第三条〉

 昨日は、全国高校駅伝があり、熊本の九州学院が2年連続3位を獲得した。素晴らしい成果と思います。伝統校の活躍は、毎年素晴らしいと思うが、選手は毎年入れ替わる。やはり、選手一人ひとりの、チャレンジ精神が伝統を支えていると思います。
 今日は、守るものと、変えるものについて、佐藤一斎の教示です。

〈第三条〉
 家々に祖先の法あり、取失うべからず。
 又仕来り仕癖の習いあり、是は時に従て変易あるへし。
 兎角目の付け方間違うて、家法を古式と心得て除け置き、 仕来り仕癖を家法家格などと心得て守株(しゅしゅ)せり。
  時世に連れて動かすべきを動かさざれば、大勢立たぬものなり。

[解説]
 祖先の定めた家法はどの家(藩)にもあり、その伝統は受け継いで大事に守らなければならない。その他に仕来りや習慣があるが、こちらはその時々の状況に応じて改正すべきものは改正してもよい。
  ところがこれを取り違えて、守るべき家法を古めかしいと軽視し、いつでも改正できる仕来りや習慣の方を大事な家法のように守ろうとしたりする。時代の趨勢をよく見極め、その流れに対応して守るべきものは守り、変えるべきは変える。この判断力がなければ、天下の大勢に後れをとるものと心得ておかねばならない。

[感想]
 時代変化に合わせて、物事を判断することは重要だが、人間には知り私欲があり、時として判断を間違うことが多い。わ私は、周りの声に耳を傾け、地域の変化に気を配ることが大事と思います。
 地域性と良く人が言いますが、凡人のわたしさでは、地域的な違いを理解するには、とても時間がかかります。私が、地域の変化や、違いを観察する方法は、一般的な場所のコンビニや本屋に並ぶ、雑誌類を見て回ります。以外に、地域、地域でけっこう並ぶ本が、違うことがあると気づきました。私の時代変化の察知力は、その程度ですが、重職(リーダー)ともなると、そんな簡単な時代感性では足りないと思います。
 地道な変化を数値化し、情報を限りなく集め、分析し、最後は自分の知恵で、進む方向を定めないと、部下は付いていけません。実は、未来の予兆は以外に身近な変化に気づくこととから、始まるとも言われます。
 日々起こる自分の周りの変化に、関心をもち、それは何故かを考えることから、時代感覚を養い、今ある自分の役わりに照らし、何を守り、何を変えるか、試行錯誤しながら、成長するしかありません。私自身、日々の仕事と生活に真剣に向き合うかとから、第三条を考えたいと思います。

*参考資料:坂井昌彦著『佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強』


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Posted by ノグチ(noguchi) at 09:17│Comments(0)佐藤一斎「重職心得箇条」
 
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