2008年01月22日

(孟子に学ぶ)リーダーの心得

(孟子に学ぶ)リーダーの心得

 選挙が近くなると、政治家のスキャンダルや評価の話が色々出てきます。とかく、最近の政治家は、施設・道路の建設の事業や経済効果等で、自分の実績を誇示しますが、市民は果たしてどう見ているか、検証してみるのも必要と思います。

 人の生き方は、孔子の時代から変わっていないともよく聞きますが、儒教の指導者の一人「孟子」が、リーダー論を説いています。なるほどと思ったので紹介します。


孟子は言う、

「武力で天下を治めることを建前とする゛覇者゛(諸侯の旗頭)は人気取りをやるから、人民は嬉しがるが、王者はその徳が自然で目立たないから、人民はその恩恵に気づかず、のんびりと満足している。

 そこで王者がやむお得ず人民を死刑に処しても、怨みに思うこともなく、また民に利益を与えても、別段、庸(てがら・いさおし)として感謝することもない。かくして人民は日々善に遷りながら、誰のおかげかしらない。

 王者が通り過ぎる所では、人民はその徳に自然に感化され、その含蓄する微妙な働きは神秘的である。かくしてその徳の流行は天地と同じく広大である。

 だから覇者が少しばかり恩恵を施すといったようなものと、どうして比較になろうか。」
                (安岡正篤著『孟子』より)


 私が思うに、闘争(戦争、選挙)でかち取った地位に在るものは、その実績を強調しがちなのが常ですが、大盤振る舞いは、気苦労も費用も伴うものと思います。

 しかし、人心を集め民の委託を受けた指導者(王者)は、自分を飾ることなく、先見性のある言動で、人民を導き、人民自ら自分たちができうる努力(事業、社会貢献)を怠らない。

 また、安岡先生は、上記ことを次の言葉で表現されています。

「これは太陽が爽やかに晴々と照り輝いていることです。王者の民はいかにも晴々しておる。それは生道(せいどう)であるから、従ってこれを殺しても恨みはしないし、またこれにいろいろ利益をあたえても、いろいろ活用しても別段てがらとしない。(中略)」


 これからの地方社会は、リーダーの言動が大事と色々な学者が語っています。実績だけを強調する覇者のデモンストレーションに惑わされる事なく、次世代社会をどうして行くのか考え続ける独立心を持つ市民の存在が大事と思います。

 当分地域は、今のまま存在する思いますので、「一過性」のまちづくり(まち興し)ではなく、30年、50年先を見すえた、市民参加型の政策論議(ワークショップ)が必要と感じます。




Posted by ノグチ(noguchi) at 17:14│Comments(0)
 
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