2013年09月29日

ものまねをするより、ものまねをしない方がやりがいが生まれる。

ものまねをするより、ものまねをしない方がやりがいが生まれる。

今日は、宇土に新たにできた地域密着型時別養護老人ホームの落成式に出席した。式典後に、熊本市の老人施設の検証と紹介をしているNPO法人の代表の講演があった。内容に、なるほどと思える示唆ある言葉が幾つかあったので紹介します。

17年前、老人施設の利用は、地方では「親を施設に預けることは、不徳のイメージはあった」から講話が始まった。

宇城市、宇土市の家庭(世帯)の半分に高齢者が居る。その内、独居老人は宇土市が18.9%、宇城市が19.7%です。高齢者2人が暮らす家庭は、宇土市が26.1%、宇城市が24.4%です。これに加えて話をされたのが、若い人との同居の高齢者は、日中は独居老人と同じ状況になっていことを忘れてはいけない。

これからの地域密着型の施設に必要な活動が、事業所と地域は、遠く離れた子供の代わりに、高齢者家庭生活支援する地域住民の関わりが重要となる。

余談から、高齢者が多くの生活する(高齢者専用)集合住宅のエレベーターの中に、紙袋があった。よく見ると、水のペットボトル3本、ティッシュペーパー、オムツなどが入っていた。地震等でもしエレベーターが止まった時に困らないように準備しているそうだ。これには感動したと紹介された。

施設、施設で知恵を絞り利用者の安心につながることを考えていると感じる心遣い(おもてなし)と思います。

今日の午後は、地域のお世話になっている方の見舞いに行った。帰りに本屋に寄りふらっと見つけた本『鈴木敏文、逆転発想の言葉95』を開いた。3つ目の言葉が冒頭の言葉です。我々凡人は、天才経営者の鈴木氏とは違うので、先進事例は発想の参考になる。トップを走る会社は、やはり違うなと思います。

参考になるかは分かりませんが、一節を紹介します。

(以下、転載)

人間は本来、責任ある仕事を任せられるとやりがいを感じ、自主的に仕事をするようになるという本質を持っています。・・・、アメリカのスターバックスの例です。上質な空間が顧客の支持を得ながら、一時期ファーストフードチェーンの真似をし業績が急速に落ちた。そこで、世界的チェーンに育て、一度引退したハワード・シュルツ氏が復帰し、全従業員に改革への挑戦を求めました。結果、業績は急回復します。もともとスターバックスは従業員の接客での自己裁量に強みがありました。自分の頭で考える仕事の仕方が社員のやりがいを引き出し、成果に結びつくという好循環をもたらしたのです。
(以上、『鈴木敏文、逆転発想の言葉95』より)

人間の脳は、省エネが好きなようで、一つ覚えたら同じようなことを続けるのが好きなようです。想像的に頭を使うこと(認知コスト)はかかってもリターンが得られると、コストとリターンバランスがとれる。すると、やりがいが生まれ、挑戦の意欲が高まるとある。

エレベーターの水のペットボトルやテッシュペーパーの「おもてなし」は、他に無い想像的な心遣いと思います。

>ものまねをしない方がやりがいが生まれる。

老人施設(事業所)が、熊本県内に1038あるそうだ、それぞれに個性を活かした運営をしている。これからは、利用者から選ばれる時代になった。コンビニではないですが、「ものまねをしない方がやりがいが生まれる」的な、頭を使う従業員の裁量を期待する運営が、老人サービス事業を差別化することにつながるのかもしれない。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 21:13│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
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