2014年01月03日

正月三ヶ日に考える「六中観」、箱根駅伝で知る「生きた力」、他。

正月三ヶ日に考える「六中観」、箱根駅伝で知る「生きた力」、他。

新年あけましておめでとうございます。

今日の午後の九州の高校サッカー強豪「東福岡vs日章学園」の試合は、結局0-0で、PK戦までもつれた。テレビは、PK戦の途中で終わった。テレビとは薄情か?

まっ、それは良しとして、箱根駅伝の2日目を7区から見ました。と、言いながらfacebookのお仲間に年賀メールを送りつつのテレビ観戦でした。まだまだ、発信がかかりそうです。

1月1日、2日のサッカー行事は、楽しみだが身動きが取れない。15才から参加している新春サッカー大会なので、「父は、1月2日は当てにならない」の家族の暗黙の理解はあったが、サッカー協会会長の仕事は予定外だったので、ますます正月は、サッカー漬けになっしまった。

よって、1月3日は何処にも行かず、午前は箱根駅伝、午後は年賀状の返事書きとサッカー観戦に当てている。ゆっくりする時間でもあります。夕方近くから、ビールが入り、早めの晩酌タイムとなる。これが、一昨年からの三ヶ日のパターンです。

さて、正月読んだ本に勝海舟の座右の銘の一つ「六中観」の解説があった。

「六中観」

忙中閑有り : 忙しさの中でも心の余裕を見つける
苦中楽有り : 苦しいときでも楽しみを見つける
死中活有り : 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある
壷中天有り : どんな境遇にあっても、自分だけの世界を作る
意中人有り : 心から尊敬する人を持つ
腹中書有り : 身心を養って経綸に役立つ学問をする


実は、この六つの実践が、凡人にはなかなか実行できない。新年に当たり、改めて自己の言動を振り返ることも必要と確認した。勝海舟は、江戸を犠牲なく明け渡し、明治維新時の国内戦争を回避した「六中観」、改めて知る先人の智慧と思います。


「箱根駅伝」、毎年見る青年たちの繰り広げるドラマが、今年で90回と放送で知った。今回も、途中棄権のあり、転倒あり、各大学それぞれにドラマがある。青春の1ページが、日本中を感動させる。箱根駅伝、ホント誰が最初に発案したのか? 先人たちの凄さと勇気に敬服してしまいます。

「駅伝は、練習の結果しか出ない」と誰に聞いたことがあります。日本人女性で初のマラソン金メダルをつかんだ高橋尚子さんは、凄まじい練習をしていたことが後日わかり、練習の成果が試合には出ただけ!正にスポーツは人間力と思いました。

人間力、それはスポーツだけではありません。様々な活動の中で、周りの人を惹きつける人が居ます。魅力(人間力)は、どこから生まれて来るのか?

北京オリンピックの陸上競技で、男子400mリレーで日本が銅メダルを取った。その瞬間、日本中が一つになったと感じました。魅力とは何か? 借り物ではない人間力に、人は感動するのだと思います。

昨日のJリーグ入団の壮行会で語ったのが、「一般人が追随できない技術を軽く見せつけることも必要」と挨拶で話しました。それだけ、練習に励めということです。身体から滲み出る真の力(生きた力)を養うことが必要と思います。

箱根で走った選手の言葉を聞くと、勝ったチームは「苦しかったが、次の選手が楽になるように懸命に走った。しかし楽しかった」と何名が語った。「練習で苦しみ、試合で楽しむ」これこそ、真の実力と思います。

昭和の東洋哲学者・安岡正篤氏の著書『安岡正篤「こころ」に書き写す言葉』に、生きた力について書かれていたので、紹介します。

(以下、本より転載)

生きた力ーー自分の魂、人格を通じて発してくるものこそ

理想とか信念とか、信仰とかいうようなものは、他から与えられたもにでは駄目で、個人の魂、個人の人格を通じて発してくるものでなければならない。どんな立派な理論・理想・理念であっても、他人のものでは良くない。それが自分の中を通じてこなければ、決して、「生きた力」にならない。
(以上、『安岡正篤「こころ」に書き写す言葉』より)


「生きた力」とは、本人から滲み出る力のこと。その力(魅力)は、日々の努力に裏打ちされた、じわりと鈍く光る人間力ように思います。それが、ある瞬間“キラッ”と光る。その輝きは一瞬だが、強烈に記憶に残る。ただ借り物は、輝きが大きいかもしれないが、それまでの地道な積み上げが無いので、記憶から消えるのが早い。

私の駅伝競技印象に残るのは、約30年くらい前?でしょうか、全国高校駅伝の兵庫県同士の闘い「西脇工業vs報徳学園」です。2校は、兵庫県大会は西脇工業が優勝、記念大会だったので中国地方大会で報徳学園が勝ち全国の切符を取り、兵庫県から2校が全国高校駅伝に出場した。全国大会の優勝争いは、3度目も西脇工業と報徳学園で、決着は最終の競技場内でのラスト100mのトラック勝負になり、制したのは報徳学園だった。この勝負以来、駅伝ファンになった。これこそ「生きた力」ではないかと思います。

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。明日から、平常になります。これからも、駄文をご笑覧頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 19:05│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
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