2014年06月01日

「人生、意気に感ず」だが、人物検証は時間をかけ慎重に分析する。

「人生、意気に感ず」だが、人物検証は時間をかけ慎重に分析する。

おはようございます。早朝の地区嘱託会のグランドゴルフ大会は、3度目の参加ですが、日々やってる方々には足下にもおよびませんが、和気藹々で楽しいので参加しています。

さて、三国志の劉備が「三顧の礼」を尽くし射止めた人物が「諸葛孔明」です。孔明は、2度居留守を使い劉備の人となりを分析した。当時、超有名人の劉備玄徳が、20代の若者に頭を下げて協力を求めたことは、嬉しくないはずがないが、孔明は「これはラッキーと食いつかない」、劉備の誠意を確かめた。

「人生、意気に感ず」とは思いつつも、慎重に相手を見極める熟慮の時間を持つこと忘れてはならない。

また、中国の春秋時代の五覇の「楚」の荘王は、即位後3年何も動かず、毎日毎晩酒ばかりのみ、政治に関わらなかった。官僚たちの様子を観察することに徹した。

3年が経ち、とうとうしびれを切らした重臣が、遠回しに政治へ気持ちを入れるように箴言した。すると、荘王は「三年飛ばずとも、ひとたび飛べば天の極みに至るであろう。三年鳴かずとも、ひとたび鳴けば世を驚かすだろう」と語った。

さらにもう一人の重臣が、今度はズバリ荘王に改心するように直訴した。荘王は「諌める者は死刑と布告したはず、承知しておろうな」と念をおすと、その重臣が「我が君の迷いをさますことができれば、死刑になろうと本望です」と決意を述べた。

これをきっかけに荘王は、進言した二人の重臣を起用し国政の刷新に乗り出した。3年間家臣を見極め、時期が来たと思ったら電光石火のごとく動く。用意周到の準備と、決断したら即座に動き出す。成功には、どちらも欠けてはならない。

諸葛孔明も荘王も、徹底した状況分析と電光石火の動きが得意でしたが、リーダーに必要な資質と思います。

さらに中国古典から、

「あやふやな根拠にもとづき、あやふやな心によって下される決断は、必ず見当はずれなものになる」(荀子)

「大きな仕事を成し遂げることができることかどうか、胆力のいかんにかかっている」(韓琦)

周到な準備と即座の動き、決断力のあるリーダーは、そう簡単には動かない。日頃から発言が多く、動きがよく見える人物は、「あやふやな根拠で動いていることが多い」、事を実行すると決めたら、十分な分析、緻密な準備、時期が来た瞬間からスタートダッシュのスピードで動き続ける。周りが求めたら「人生、意気に感ず」だが、行動のタイミングは重要と思います。

上記二つのエピソードは、守屋洋著『男の器量、男の値打ち」にあったテーマ「確実な決断が男の値打ちを高める」で紹介されたものだが、決断できない上司、休む間も無く動き回る部下、行動が先か、決断が先か、よく言われるが、エピソードからすると、その二つの前に周到な情報収集と準備が大事とありました。

何の仕事でも人と関わらなければ、達成できない。一緒に仕事をする人物は、慎重に選ぶことも大事なようです。話題がひろがり、文が長くなりました。最後までお読みいただき感謝します。

今日も暑くなるので、水分補給を忘れずに過ごしましょう。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 10:49│Comments(0)故事、名言、訓示、スピーチ
 
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