2009年02月28日

自分の枠で他人を囲むな~往く者は追わず、来る者は拒まず~ 

自分の枠で他人を囲むな~往く者は追わず、来る者は拒まず~ 


 孟子がある国を遊説している時、弟子の一人が盗みの嫌疑をかけられた。弟子に不始末に、役人が皮肉を言うと、孟子は、

「弟子たちは、盗みをするために、私について来たとでもいうのですか。私は弟子をとるとき、往く者は追わず、来る者は拒まずで、学ぼうという意志さえあれば、誰であろうと弟子にしている」

 これは良く使う「往く者は追わず、来る者は拒まず」は、もともとは孟子の言葉から由来している。こだわりのない人間関係を表した言葉としてよく知られている。

 部下を持つビジネスマンにこの包容力を当てはてみると、どんな部下を相手としても、些細な欠点に目くじらを立てず、能力に応じて使い分けるだけの度量が必要と思う。
     (以上、「中国古典一日一話」より抜粋)


 日常使いながら、言葉の始まりを知ると、さらに深く考えて使うことができるように思います。しかし、社会の変化で、「往く者は追わず、来る者は拒まず」が、派遣社員のことに例えると、とても辛い言葉になると感じます。

 労働を尊い行為、奉仕に精神と、言っていた昔と比べると、労働市場という規制緩和を行った、小泉改革の痛手は、大きく日本社会に不安をもたらしているいるように思います。労働者を、利用するしないが、好不況で、「往く者は追わず、来る者は拒まず」の解雇自由の社会システムが良いか、悪いか、再度考える時期にあると思います。
 
*参考資料:守屋洋編著「中国古典一日一話」 


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Posted by ノグチ(noguchi) at 11:41│Comments(2)孟子の教え
この記事へのコメント
はじめまして!!

素晴らしいブログですね☆

私も『論語』は生きる教訓にしております。

これからもちょくちょく覗かせて頂きます♪

ありがとうございました!!
Posted by るるわ珈琲るるわ珈琲 at 2009年02月28日 12:38
突拍子のない人々と付き合うのは大変ですが、この言葉を噛みしめたいと思います。
 ひょっとして自分がそう思われているのでは ?
 Ichiro
 
Posted by Ichiro at 2009年02月28日 19:32
 
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