2011年02月07日

信言は美ならず、美言は信ならず『老子』

信言は美ならず、美言は信ならず『老子』

 世には、話の上手い人がたくさんいるだと思います。おれおれ詐欺、結婚詐欺、など、上手くだまされてしまうことも多い。これは、人を使う時も要注意です。
 困ったことを知り、助言する人も居れば、粗野にする人もいます。逆に、好調な時にすり寄って来る人も居れば、驕りを注意していくれる人もいます。どちらが良いかは、それぞれが判断すのでしょうか、先人たちも色々苦労があったようです。
 孔子よりもちょっと先輩の「老子」の言葉に次にことがあった。

信言は美ならず、美言は信ならず(信言不美、美言不信)
~しんげんはびならず、びげんはしんならず~『老子』

 真実味のあることばは飾りけがない。飾りけのあることばは真実味がない。実際問題として、信言と美言を聞き分けるのは、必ずしも容易でない。
 たとえば美言の代表的なものに、お世辞がある。歯の浮くようなお世辞は見えすいたお世辞、これは誰にでもわかる。しかし、もっと巧妙なお世辞になると、ついその気になってしまうのが一般である。
 しかし、お世辞は実害が少ないから、まだよい。問題は甘いことばでまどわされるケースである。男女の関係になると、一生を台なしにされることもありうるし、金銭の問題になると、身ぐるみはがされてしまうことだって少なくない。

「美言は信ならず」――『老子』のことばを胆に銘じておきたいところだ。
 (以上、「中国古典一日一話」) 


 心静かに、周りに状況を検証して、行動に移さなければならないと思います。

 日常、ワイワイとやれる仲間。
 いろいろな場面で相談する師。
 地位を終える時を示唆する朋。

朋には、3つの役割をもつ人たちが必要です。人間、有為転変、色々なことが人生に起こります。その時々の迷いを語りながら、意見を聞ける間柄、実際に決断は自分自身ですが、「信言」を心から伝えてくれる友を持ちたいと思います。

*参考資料:守屋洋編著「中国古典一日一話」


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Posted by ノグチ(noguchi) at 14:18│Comments(0)老子・荘子の言葉」
 
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