2012年03月07日

橋下知事の「船中八策」 財源論議の欠落を指摘。(山口教授)

橋下知事の「船中八策」 、財源論議の欠落を指摘。(山口教授)

 毎月第一日曜日の地元紙の政治コラムは、毎回楽しみな朝の読書です。筆者は、北海道大大学院教授の山口二郎氏です。今回は、財政、社会保証の一体改革、を中心とする野田首相の国会論議を言及しています。

(地面から、抜粋)
 橋下人気はひとえに民主、自民を中心とする既成政党への幻滅が膨張させている。
 政治家は次第に近づいてくる次の選挙で負けるのではないかという危機感を募らせているようだが、政治家がそのような次元の危機感しか持てないことこそ、日本政治の最大の危機である。(略)

 国会は、50年後の人口構成が発表され、一人の高齢者を一人の働き世代が支える状況が出され、社会保証改革が待ったなしであることがわかった。

 何か、今年になって分かったように語られるが、20年前から少子高齢化が顕著になり、自民党政権時代から少子高齢化は、問題視されるようになっていたのに、自民党はちゃんとした政策を、選挙が気になるのか打ち出せなかった。今回の社会保証改革では、自民党は民主党のマニフェスト見直しばかりを指摘して、社会保証改革には協力しないように感じる。

 山口教授は、テレビニュースで流れる報道を分析し、国民の国政に対するイメージを危惧する雰囲気が気がかりとあった。また、次のようなことも語っている。
(以下、転載)
 政治の本質は、資源分配の変更である。国民から税金を集め、それを社会正義や公平の観点から再分配するのが政府の仕事である。誰から取って誰に渡すかという話をしだせば、取られる側は反対する。しかし、国債に頼るのはもう限界である。大阪維新の会が打ち出した八策は、一院制や首相公選など統治機構に偏っており、資源分配の問題については無内容である。(略)

 最近は、スローガンばかりが目立ち、実際の政治改革、特に財政改革がなかなか進まない。昨日、福岡市で開催された、自治体職員の有志の会が呼びかけた企画「地域主権改革フォーラム in 福岡」で、1995年から始まった地方分権改革の原状、現在の地方自治体の職員の意識、住民の理解について、詳しい報告があり、意見交換されました。

 東日本大震災から1年、山口教授は、「政治的な意味での災禍を防ぐためにも、政党政治家の良識が必要とされている」と苦言する。

 昨日のフォーラム後の交流会の余談だが、熊本県知事選挙について、コーディネーターを務めた西日本新聞社の記者は、「熊本県の蒲島知事は、どんな成果を出しているか外には聞こえない。3月は無風選挙を様相、これからの4年で上昇気流には乗れないのでは?」と、疑問を呈した。

 中国古典の『菜根譚』に、次の教示があります。

「花に百日の紅なく、人に千日の好なし」

この意味は、花で百日以上咲き続けるものは無い、人の人気(関心、期待)は千日以上は続かない。情報化の時代、政治家への期待は、千日(2年9ヶ月)よりはるかに短くなっているように感じています。

※参考資料:3月4日熊本日日新聞朝刊より


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Posted by ノグチ(noguchi) at 17:43│Comments(0)新潮流、論文
 
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