2012年01月15日

大人に必要な成長とは、精神的な成熟や心の深さ

大人に必要な成長とは、精神的な成熟や心の深さ

 おはようございます。
 明日から、センター試験のようですが、毎年の風物ですが、少年たちが若者世代へ登るための一つの登竜門的なステップになっています。

 さて地元紙のコラムに、東大名誉教授で社会学者の見田宗介氏が、現代社会を検証しています。昨日の内容は、地域活性化に共同事業を行う組合組織が、分野を越えて連携し、持続可能な地域経済を創ることを提唱されました。本日の意見は、若者たちの精神的欲求の変化について語っています。

 現代の若者は、車やブランド、海外旅行に興味をしめさず、パソコンばかりやっていたのが、東日本大震災発生以来、被災地へ多くが出向き、被災地の人たちと共に復旧作業に懸命に働いている。これは、阪神淡路大震災の時にも、全国のボランチィアが集まり、ガレキ撤去、炊き出しに汗を流していたのを思い出す。

 昨年、ブータンの国王が来日し、『国民総幸福量(GNH)』が広く知られた。前国王が40年ほど前に、提唱した国づくりの指針だが、当時の日本は超高度成長時期で、経済成長ばかりに関心が注がれ、心の豊かさ、生活の充実について、あまり語られることが無かった。
 見田教授は、秋葉原無差別殺人事件や、自分で自分を傷つける「リストカットする少女」を分析し、非常に感覚が似ていると語る。

(以下、抜粋)
……、虚構の時代のまん中で、ある種の抽象化された生の中で、リアリティーへの飢えが外側に向って爆発したのが加藤智大被告、自分の内側に向ったのがリストカットの少女たちです。(略)
 3・11後、私たちは人間の幸福とは何かと、根本に立ち返って考えざるを得なかった。基本的に大事なのは健康、愛情、自然です。貧しい時代や地域には健康を保つために経済成長が必要でしたが、今の日本でこれ以上の成長をすると、環境を破壊し、放射能を蒔き散らすような事態になる。(略)
(以上、熊本日日新聞コラムより)
 
 東日本大震災から日本人は、生き方の方向を変えつつあると思います。自然環境を資源を浪費せず、持続可能な社会を実現し、心豊かに暮らすには何が必要か、どう行動を起せば良いか、これからの世代が考えなければならないと思います。
 センター試験には、なかなか社会変化を写す試験が出るまでには、相当の期間を要しますが、若者たちがボランティア活動、まちづくりに関わり、社会変化に関心を持つような気運ができことを願っています。
 見田教授は、コラムの最後に次の言葉を残しています。
「成長した大人に必要な成長とは、精神的な成熟や心の深さだと思います」
これからの社会は、文化・芸術を思考する人たちが増えるのかもしれません。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 13:14│Comments(0)意見・異見
 
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