2022年05月06日

<田辺聖子風「教える」>幸福な人はむつかしいことを考えたがる。世間話、噂話、等々。〜『苺をつぶしながら』〜

<田辺聖子風「教える」>幸福な人はむつかしいことを考えたがる。世間話、噂話、等々。〜『苺をつぶしながら』〜

(長文です。お時間ある時にお読みください。)

世間話、噂話、いろいろあります。私は、田辺聖子さんの世の中を"ナナメ見"した言葉が好きで、年に数週間ほど、毎年同じ時期に読みたくなる。

なんでだろう?

やはり春ごろか。

田辺聖子さんの文を集めた本『苦味を少々』にある一文。テーマが「世間のルールブック」のページにありました。

(以下、本より)

「あんまりむつかしいことは考えんほうがええデ。幸福な人はむつかしいことを考えたがるけどな」
幸福な人はヒマだから、いろいろ、つつかなくてもいいことをつついたり、あえて問題にしなければそれですむことを、わざとあげへつらうのであるらしい。
(以上、『苺をつぶしながら』より)

世間話を耳にするとき、"まるで見てきたかのような話"が伝わってくる。みんなすごい情報網をお持ちなのだろうな、と関心する。

しかし、話題の本人に確認すると、根も歯もない話と分かると、がっかりする。

田辺聖子さんの言葉からすると、世間話や噂話をする人たちは、平穏で幸福な生活をしている時間のゆとりのある人たちなのかと確認します。

これは私の最近の体験ですが、コロナ禍が始まって1年ほど経った時期、ある天草地域にある公共温泉に入っているとき、露天風呂で古老が帰郷した若者グループに、東京の政治家に関わる活動やスキャンダルについて語っているのを、聴いていると・・・

話が長い、遠回し、繰り返しの話だったり??

もし事実を見て、理解して、整理して語るなら「単刀直入」に短く語れば終わるのに、想像も加えて語るから長くなる。

今朝の田辺聖子さんの文からは、あの古老は幸せな人なのか!、と理解しました。幸福で時間があるから、いろいろ詮索、想像する時間がある。有る事無い事、現場確認なく自慢げに話す。聞かされる若者たちは、どう思っているだろう。

また、次の一文がありました。

(以下、『姥さかり』より)

大体、知識というのは本に書いてあることをそのまま物うつしにしておぼえたり、知ったりすること、だからそれをそのまま伝え、教えるのは、私なら何やら気恥ずかしい。知っているということは、羞じらいの固まりである。
(以上、本より)

教える事は、我慢する事。
本人が学び深め、理解がギリギリまで来た時、ちょっとヒントを出す。それが教える、古からのやり方と知りました。

忙しい人は、短く単刀直入にヒントを出す。

幸福で時間のある人は、知識や情報を基に、想像も加えて、遠回しに語る。

>あんまりむつかしいことは考えんほうがええデ。

むつかしく考え、知識を知らせたい人は、田辺聖子風に言わせると、幸福な人なのだと思います。

ネットの時代、電話長の人は要注意です。電話は要件のみ、1〜2分程度が受ける方はありがたい。

みなさんの周りは、どうでしょうか?

朝からダラダラと長くなりました。私こそ、朝から暇な時間があるので、要注意人物かもしれません。(笑)

ゴールデンウィークも後半、今日から平常の方も居ると思います。良き週末をお過ごしください。

長文を最後までお読みいただき、感謝いたします。


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