2008年06月13日

幸福とは、生き抜いてみなければ見えて来ない。

幸福とは、生き抜いてみなければ見えて来ない。


今読んでいる有名人の語る『幸福論』から、冒険家の三浦雄一郎氏の言葉が印象に残った。


・苦しみ抜いてこそ見えてくるものがある

 生きることは苦しい事です。死ぬのはある意味楽な事です。悩み、もがき、苦しみながらも私たちは生きている。何とか生き抜いてやろうと必死になっている。それが人間の姿ではないでしょうか。幸福とは何か。その答えは、生き抜いてみなければ見えて来ない。苦しみ抜いてこそ見えてくる。
(三浦雄一郎「人生は、ゆっくりと眺めながら歩く方がいい」)

 三浦氏は、70歳を越えてエベレスト(チョモランマ)登頂に挑戦した方ですが、スキーヤーとして成功しながらも、さらに困難に挑戦する言葉の中で出てくる、「いつでも夢中になれるものがあるか」の、問いがあるように思います。


『申吟吾』の中に、次の一説があります。

「困難な課題から先に取り組む」

 まず困難な課題に取り組み、成果は後でゆっくり楽しむ。これこそ、人格を完成させ、仕事を達成する第一の秘訣である。この方針をしっかりと胆に銘じて、あくまでも堅持するならば、いかように非難をあびようとも、けっして動揺する事はない。かりに、一月続け、一年続けても、効果はないかもしれない。しかし、くじけかいで堅持すれば、長いあいだには自然に成果が期待できるのである。
 このように、修行というのは段階を追って一歩づつ完成をはかり、効果が表れて来るのをじっくりと待たなければならない。
(守屋洋訳『申吟吾』、第1章:人間について)


 三浦氏は、5年の準備期間を経て、エベレスト登頂に成功するのですが、成果を早く求めがちな現代においても、人の幸福、さらに周りからの評価とは、長い年月の行動でしか真価は解からないのかもしれません。
 人生指南の書と言われる「申吟吾」には、困難に直面した時思い出し、気持ちを新たにしてくれる気付きの言葉がたくさん詰まっているように思います。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 06:25│Comments(0)呻吟語(しんぎんご)
 
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