2008年07月16日

理想は高く、しかし現実に立脚する(菜根譚)

理想は高く、しかし現実に立脚する(菜根譚)

 世の親たちは、子供たちに高い理想を勝手に描かせ、お尻を叩き「急げ、急げ」と急かしています。これは、良いのでしょうか。

 というわが家も、高校受験では3年間近2年生後半から、塾通いが始まりました。「高い理想を持て」と、高校の保護者会でも校長や講師が述べていました。やみくもに、高望みして難関高、難関大学を目指して、詰め込みで行くといつかパンクするのではないかと心配します。

 大事なのは、「自分は今何処に居るか?」を知ることではないか。

 家造りもそうですが、基礎が大事です。問題集を解き、例題の暗記ばかりしていては、苦境(難問)と正対した時の創意工夫・機転が利かない人を見受けます。
 故事に、「人を知るのは知、自分を知るのは明」とあります。自分をしっかり検証し、自分の位置を知り、そこから積み上げて行く事が、自分を向上させる道と思います。
 受験は、技術と言いう人がいます。高校保護者会で、受験講話で、「難関校の問題は、本質が解かっていないと答えを導けない」と進学支援サービスの社員が語っていたのが印象的でした。

 菜根譚の次の一説があります。

(本文より)

・理想は高く、しかし現実に立脚する

理想は高く持つべし。だが、あくまでも現実に立脚しなければならない。
 理想は周到にめぐらすべし。だが、末節にとらわれてはいけない。
 趣味は淡泊であるべし。だが、枯淡にすぎてはならない。
節操は厳しく守るべし。だが、奇矯に走ってはならぬ。

(解  説)
 理想を掲げることは大切だが、理想倒れに終わらないためには、しっかりと足もとを固めてかからなければない。逆に、足もとの現実に振り回されないためには、しっかりと理想を掲げておくことが望まれる。


 理想倒れ、枝葉末節に混乱されは、共に思考と準備が足りないと思います。両方を常に頭に置き、将来の展望実現のために、足もとの地固め(人材作り)が最も大事と思います。
 受験も事業も、高き理想は必要です。でも声ばかりで、中身(基礎学力、人材)を充実させないと、理想に近づくとはできません。やはり、寸暇を惜しんで努力をすることが、一番の近道と、多くに偉人、故事に説かれています。

「理想は高く、現実に立脚」

心にゆとりをもち、自分自身を日々検証し続ける明鏡止水の「心境」を忘れないことだとと思います。

*参考資料:守屋洋訳「新釈 菜根譚」より


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Posted by ノグチ(noguchi) at 18:23│Comments(0)菜根譚
 
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