2009年05月15日

無為な人の心は、心地良い都合の良い場所いる

無為な人の心は、心地良い都合の良い場所いる

 人間、極限にならなければ決断はむずかしいもので、早く決断し、実行に移せば良いものを、なかなか意志が固まらないないものです。
 昭和の批評家・小林秀雄氏の語録にもありました。

(本文)
 決断だとか勇気だとか意志だとかを必要とする烈しい行為にぶつかる機もなく、又そういう機を作ろうとも心掛けずに、日々を送っている人間は、心理の世界ばかりを矢鱈(やたら)に拡げて了うものだ。別に拡げようとするのではないが、無為な人の心は、取止めもない妄念や不貞な観念が、入乱れて棲むのに大変都合のいい場所なのである。(「現代女性」11-92)

 まるで自分のことを突かれているようで、ドキッとしますが、誰にもありそうなことだなあ、と思います。
 人間、楽な方に傾き、きびしい環境ヘは行きたくないものですが、やはり人生には何度か岐路に立つ時期があります。
 学問は、危機管理のためにある。危機に瀕したとき、支えてくれるのは言葉であると、作家の田辺聖子さんが何かの本で書かれていた。
 挑戦心、チャレンジ・スピリッツを常に呼び覚ますことを忘れないことが、大切な気がします。明日は、始めての環境シンポジムですが、勝海舟の座右の銘「六然(りくぜん)」にある、

「人ニ処スルコト藹然(あいぜん)」~人処藹然~
 人に接して相手を楽しませ心地良くさせる

そして自分の気分は、

「自ヲ処スルコト超然(ちょうぜん)」~自処超然~
自分自身に関してはいっこうに物に囚われないようにする

この二つの気持ちを忘れずに、初体験をして来たいと思います。
後日、内容等を報告します。

*参考資料:小林秀雄の言葉「人生の鍛錬」  


Posted by ノグチ(noguchi) at 12:40Comments(1)批評家・小林秀雄