2009年05月31日

本物は感化する ~言志四録~

本物は感化する ~言志四録~

(現代語訳)
 枝葉末節のものほど、非常に移り変わりが激しいから影響力が大きくみえるが、それはまことに影であり響であって空しいものだ。直ぐ消えてしまう。
 本質的なるものの影響は影響ではなく、それはもう骨髄に入る。ものになる。身になる。身に附く。これは影響ではなくって感化と言う。(中略)
(以上、「「佐藤一斎 一日一言」」)

 感化:人物が偉大であればあるほど、立派な環境を作る。人間ができないと環境に支配される。

 目先に流行でなく、人の心を凝視して、移り変わりに動かされない人の思い(意志)の本質を見きわめ、相手の身心を揺さぶるような言動を、いかにして身に付けるか、いつも悩むところですが、偉人たちの行動を検証すると、随所にその感化力(影響力)を使って、事を成し遂げた事例がたくさん出てきます。

 感化力とは、崇高な志と、それをし遂げようとする猛烈な意欲にあるように思います。そして「志」は、周りよりちょっと高い位置にあり、高貴な香りをかもしていると言います。人を惹きつける魅力(磁力)をどうやって見につけるか、リーダー足るものの不断の努力と、人との交流にあるように思います。

*参考資料:「佐藤一斎 一日一言」言志四録を読む  


Posted by ノグチ(noguchi) at 06:48Comments(1)斉藤一斎「言志四録」