2010年04月14日

人の行動の基本、「コモン・センス」と「仁」

人の行動の基本、「コモン・センス」と「仁」

 数日前、リサイクルブック店で、目に止まった本を読んでいます。落合信彦氏の「今どん底からはいあがるしかないじゃないか」と言う本です。内容は、2003年の9・11の後、アメリカがイラクと戦争をしようという直前の状況の中で、不況にあえぐ日本の状況と、日本人の生活観・国際感覚を分析し、その後の行動をどうしたら良いか、どんな風に人間力をつけて行くのか、考えさせるものでした。
 まだ読んでいる途中ですが、一部を紹介し、感想を述べてみます。


考えない人生は、生きるに値しない

(本文)
 最近の日本人を見ていると、ソクラテスが言った「考えない人生は、生きるに値しない」という言葉が至言に思えて仕方がない。こういう景気が悪く、政治もどうしようもないという時こそ、誰しもが一歩下がって「なぜ日本という国がこんなふうになってしまったんだろうか」と考える時なのだ。ある意味でが、これまでの行き方を振り返らせ、これからどう生きていったらいいかを考えさせるために、天が与えてくれた思索の時間なのかもしれない。(中略)

 どこかで、聞いたような言葉と思います。日本の識者が、何度も、何度も、声を上げて来た言葉と思います。「考えない日本人。自分さえ良ければ良い」と、この行き詰まりを苦境と見るか、良き考える機会と見るかで、一人ひとりの発想が大きく変わってくると思います。
「なぜ、こんなふうになってしまったのか」
考えること、発言すること、語ること、そこから色々な発見をし、当たり前と思っている「常識」が、なんかおかしいと気づくのだと思います。

 海外でも同じ状況があると思います。落合氏は、「常識=コモン・センス」の意味に、次の内容が含まれていると解説しています。


コモン・センス

(本文)
 「日本の常識は世界の非常識、世界の常識は日本の非常識」と誰かがいったように常識というものは相対的なものだ。
 (コモン・センスを)あえて訳せば、゛全人類が共有するプラス感覚゛がいいだろう。この感覚の中には他人への思いやりや気配り、情の深さ、礼儀、愛情、善悪の絶対的基準や判断力など――人間が生きていく上で不可欠かつ、ごく当たり前のことがらが入る。
 「なんだ、そんなことか」と思うかもしれない。だが、このごく当たり前の感覚を持たない人間が今日の日本人では多すぎると思わないか。コモン・センスがなければ、どんなの頭がよくても対人力なんて身につかないんだ。人間として通用しないから・・・。(中略)

 この説明も何度も聞いたような内容と思います。この内容は、2,500年前の孔子が語った教示中に、色々と出てきます。孔子は、「仁」の心を基本に、礼儀、善悪、情の深さ、等を弟子たちに説きました。
 人間の生業は、時を越え、地域を越えても大事なことは、同じ事のように思います。

 人の行動の基本ともいえる、「コモン・センス」と「仁」は、世界に共通の人類を成長させる、考え方であり、行動理念なのかもしれません。今こそ、一人ひとりが考える時代なのかもしれません。

*参考資料:落合信彦著「今どん底からはいあがるしかないじゃないか」


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Posted by ノグチ(noguchi) at 08:26│Comments(0)リーダーの名言
 
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