2010年06月15日
「未来は、足下の変化にある」(政経)昭和・平成→未来社会
「未来は、足下の変化にある」(政経)昭和・平成→未来社会
昨日、15年近く政経に関わる世の中の事象を、解説して頂く師から1時間ほど話を聞いた。現在の民主党政権、参院選を前の内閣改編劇、どうして連合政権なのかも含め、40年以上日本の政経を分析、提言して来た視点は、鋭いと思いました。
・政権交替とハネムーン・シーズン
ここ3年の日本権力の奪取闘争には、どうしても小沢一郎のようなカリスマ的、牽引者が必要だった。前回の参院選、昨年の衆議院選と、大きく流れを変え、55年体制が崩れ去った。この功績は、良かったと思います。しかし、政権奪取までは、国民は民主党を支持したが、リーダーたちの中身が見えて来て、国民の支持が白け始めた。
アメリカ大統領選挙の後の100日間を「ハネムーン・シーズン」と言うそうだ。現在のオバマ氏に支持率は、20%に近づくいている。鳩山政権も100日間は、お祭り気分で良かったが、内閣の本質を国民が検証し始め、だんだん期待と違うことが分かり始めたのだと思う。
・日本の経済成長と冷戦構造
さて、日本のバブル崩壊から平成になり、20年が過ぎた。戦後の55年体制は、日本を高度成長へ導いたし、世界の冷戦構造は日本の経済成長に大きく影響を与えた。
冷戦構造崩壊の原因の一つが、情報機器の発達にあるように思います。特に1990年代のインターネット技術の発達は、世界を狭くし、国境を低くして来たと思います。
戦後政治の自民党の安定は、この冷戦構造と中央集権、知らされない政治の密約など、日本特有の政経の中身から、時代やアジアの現状も、日本の経済成長が叶った原因ではないかと思います。
・「中央集権+官僚任せ」の政経が機能不全
しかし、日本も21世紀になり、インターネットを中心とする情報技術の普及で、経済構造が大きく変化し、東アジアの人の流れも大きき変わって来た。その原因の一つに、中国の政経の安定と成長があることはまちがいありません。また外交のアメリカ一辺倒、国家経営を「中央集権+官僚任せ」の政経の考えでは、解決できない社会問題、経済問題が増えて来たことに在ると思います。
自民党の政治体制が、社会の実情から乖離したことにあると、昨日の師からの話から、特に感じたところです。
・「政治と経済の乖離」徳川幕府の幕末の政治状況
幕末に詳しく、横井小楠の研究者でもある松浦玲氏が、勝海舟の分析した著書「勝海舟」に、徳川幕府の幕末の政治状況を分析した一節がありました。
(本文)
支配階級と生産力の乖離は、近世封建社会が兵農分離体制の上に成立したときにすでにはじまっていた。そうして、事実上の農民的・市民的土地所有や、封建権力に規制下にあった特権商人流通をのりこえる農民的流通が、幕府や藩による規制を破って進行する幕末においては、武士身分なるものの社会的生産の上での無意味さが、いよいよ深刻に露呈されてくる。(中略)
・・、武士が生まれながらに支配階級であるという社会通念は、きわめて強固なのである。しかし、それが意識にのぼろうとのぼるまいと、その事実は、藩の財政窮乏という形できわめて直接的につきつけられた。つまり、かつてはそれが経済の動きのほとんどすべてであった封建貢租の収受が、いまや大きくひろがった社会経済の全体の中でごく小さい比重しか占めることができず、したがって、もっぱらそれに依拠しながら前と同じ支配機構を維持している権力側は、生存が不可能となるのである。(中略)
(以上、「勝海舟」より)
・日本の政経の推移は、40年周期で上下
熊本出身で政治評論家の内田健三氏に、以前、日本の政治の近代史のことをお聞きしたとき、「日本は、明治維新以来、40年周期で上がったり、下がったりしている」と。その話からすると、日露戦争↑、敗戦↓、バブル崩壊↓、次は↑の予定だが、はたして現在の政治状況で、上昇気流になるのだろうかと考える。
・次期政治機構は、「民主党+?」
しかし、ともかくも、「自民党+官僚」体制が崩壊し、「民主党+?」体制が構築されるか不明ですが、暗中模索の中、国民も参加して、次世代の社会をより良きものに変えることが大事と思います。
・前例踏襲の政策をバブル崩壊後もやり過ぎた
徳川幕府以来、官僚機構(行政体制)は、権力のトップを変えながら、平成まで生き続けてきた。国家統治には、官僚機構必要なものではあるが、生活現場、生産現場から、あまりにも遠いところから、机上の空論(前例踏襲)をバブル崩壊後もやり過ぎた、その結果、国民が民主党のマニフェストを支持したと思います。
・「未来は、足下の変化にある」、国民一人ひとりが挑戦すること
民主党政権はもちろんですが、それを選んだ国民自身が、先の見えない未来へ不安を持っています。しかし、幕末も、敗戦時もやはり、暗中模索の中を思案し、色々試しながらやって来たと思います。
「未来は、足下の変化にある」と言われるように、発達し続ける情報技術を敬遠することなく、新しい未来社会の構築に、国民一人ひとりが挑戦することが大事と思います。
*参考資料:松浦玲著「勝海舟」
昨日、15年近く政経に関わる世の中の事象を、解説して頂く師から1時間ほど話を聞いた。現在の民主党政権、参院選を前の内閣改編劇、どうして連合政権なのかも含め、40年以上日本の政経を分析、提言して来た視点は、鋭いと思いました。
・政権交替とハネムーン・シーズン
ここ3年の日本権力の奪取闘争には、どうしても小沢一郎のようなカリスマ的、牽引者が必要だった。前回の参院選、昨年の衆議院選と、大きく流れを変え、55年体制が崩れ去った。この功績は、良かったと思います。しかし、政権奪取までは、国民は民主党を支持したが、リーダーたちの中身が見えて来て、国民の支持が白け始めた。
アメリカ大統領選挙の後の100日間を「ハネムーン・シーズン」と言うそうだ。現在のオバマ氏に支持率は、20%に近づくいている。鳩山政権も100日間は、お祭り気分で良かったが、内閣の本質を国民が検証し始め、だんだん期待と違うことが分かり始めたのだと思う。
・日本の経済成長と冷戦構造
さて、日本のバブル崩壊から平成になり、20年が過ぎた。戦後の55年体制は、日本を高度成長へ導いたし、世界の冷戦構造は日本の経済成長に大きく影響を与えた。
冷戦構造崩壊の原因の一つが、情報機器の発達にあるように思います。特に1990年代のインターネット技術の発達は、世界を狭くし、国境を低くして来たと思います。
戦後政治の自民党の安定は、この冷戦構造と中央集権、知らされない政治の密約など、日本特有の政経の中身から、時代やアジアの現状も、日本の経済成長が叶った原因ではないかと思います。
・「中央集権+官僚任せ」の政経が機能不全
しかし、日本も21世紀になり、インターネットを中心とする情報技術の普及で、経済構造が大きく変化し、東アジアの人の流れも大きき変わって来た。その原因の一つに、中国の政経の安定と成長があることはまちがいありません。また外交のアメリカ一辺倒、国家経営を「中央集権+官僚任せ」の政経の考えでは、解決できない社会問題、経済問題が増えて来たことに在ると思います。
自民党の政治体制が、社会の実情から乖離したことにあると、昨日の師からの話から、特に感じたところです。
・「政治と経済の乖離」徳川幕府の幕末の政治状況
幕末に詳しく、横井小楠の研究者でもある松浦玲氏が、勝海舟の分析した著書「勝海舟」に、徳川幕府の幕末の政治状況を分析した一節がありました。
(本文)
支配階級と生産力の乖離は、近世封建社会が兵農分離体制の上に成立したときにすでにはじまっていた。そうして、事実上の農民的・市民的土地所有や、封建権力に規制下にあった特権商人流通をのりこえる農民的流通が、幕府や藩による規制を破って進行する幕末においては、武士身分なるものの社会的生産の上での無意味さが、いよいよ深刻に露呈されてくる。(中略)
・・、武士が生まれながらに支配階級であるという社会通念は、きわめて強固なのである。しかし、それが意識にのぼろうとのぼるまいと、その事実は、藩の財政窮乏という形できわめて直接的につきつけられた。つまり、かつてはそれが経済の動きのほとんどすべてであった封建貢租の収受が、いまや大きくひろがった社会経済の全体の中でごく小さい比重しか占めることができず、したがって、もっぱらそれに依拠しながら前と同じ支配機構を維持している権力側は、生存が不可能となるのである。(中略)
(以上、「勝海舟」より)
・日本の政経の推移は、40年周期で上下
熊本出身で政治評論家の内田健三氏に、以前、日本の政治の近代史のことをお聞きしたとき、「日本は、明治維新以来、40年周期で上がったり、下がったりしている」と。その話からすると、日露戦争↑、敗戦↓、バブル崩壊↓、次は↑の予定だが、はたして現在の政治状況で、上昇気流になるのだろうかと考える。
・次期政治機構は、「民主党+?」
しかし、ともかくも、「自民党+官僚」体制が崩壊し、「民主党+?」体制が構築されるか不明ですが、暗中模索の中、国民も参加して、次世代の社会をより良きものに変えることが大事と思います。
・前例踏襲の政策をバブル崩壊後もやり過ぎた
徳川幕府以来、官僚機構(行政体制)は、権力のトップを変えながら、平成まで生き続けてきた。国家統治には、官僚機構必要なものではあるが、生活現場、生産現場から、あまりにも遠いところから、机上の空論(前例踏襲)をバブル崩壊後もやり過ぎた、その結果、国民が民主党のマニフェストを支持したと思います。
・「未来は、足下の変化にある」、国民一人ひとりが挑戦すること
民主党政権はもちろんですが、それを選んだ国民自身が、先の見えない未来へ不安を持っています。しかし、幕末も、敗戦時もやはり、暗中模索の中を思案し、色々試しながらやって来たと思います。
「未来は、足下の変化にある」と言われるように、発達し続ける情報技術を敬遠することなく、新しい未来社会の構築に、国民一人ひとりが挑戦することが大事と思います。
*参考資料:松浦玲著「勝海舟」
人間、誰と付き合うか、周りは見ていることを忘れてはいない。〜『荀子』〜
<人生は出会いて決まる>動かなければ、我が家の"景気(動き)"は良くならない。〜自論〜
<藩校の顕彰>熊本藩の藩校「時習館」教育の研究活動が必要と思う。
<スポーツの力>錦織選手の決勝は9日の午前6時。全米勝てば世界のトップ5。
歴史の現場視察(ウォッチング)は、学問の基本ではないのか。
「活殺自在」、自然や環境というのは、未来の子供たちから預かっている社会的共通資本。
<人生は出会いて決まる>動かなければ、我が家の"景気(動き)"は良くならない。〜自論〜
<藩校の顕彰>熊本藩の藩校「時習館」教育の研究活動が必要と思う。
<スポーツの力>錦織選手の決勝は9日の午前6時。全米勝てば世界のトップ5。
歴史の現場視察(ウォッチング)は、学問の基本ではないのか。
「活殺自在」、自然や環境というのは、未来の子供たちから預かっている社会的共通資本。
Posted by ノグチ(noguchi) at 02:21│Comments(0)
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