2012年03月31日

土光敏夫の東芝改革「社員は3倍、重役は10倍働け」

土光敏夫の東芝改革「社員は3倍、重役は10倍働け」

 おはようございます。今朝は、まとまった雨の熊本です。今日は、全国的に天候が荒れるとの予想で、海山のレジャーは気をつけてください。

 朝の読書は、故土光敏夫氏の東芝改革の話です。土光氏は、石川島播磨工業を軌道に乗せて、68才で会長職を退いた。間もなく、東芝会長の石橋泰三氏から、東芝社長就任要請があり、悩んだ末に決断した。

(以下、抜粋)
 土光氏の東芝改革は、社長室の解体作業から始まった。前社長時代、専用厨房に専用コック、専用浴室があり、今からすると考えられないトップの驕りがあった。土光氏は、会社は外部要因より中から腐る、率先垂範で東芝改革を始めた。それを現す決意の言葉が「一般社員は三倍、頭を使え。重役は十倍働く、新社長はそれ以上に働く、…」。
 公約通り、まず早朝7時半の出勤。だかこれには、重役陣が真っ先に悲鳴を上げた。それまで東芝の重役出勤は10時頃だった。……、(中略)
 土光氏はトップセールスで飛び回る一方、徹底して工場の生産現場を歩いた。製造販売の両面での率先垂範である。
(以上、『決断力』より)

 土光敏夫氏は、鈴木せ善行首相と組んだ政治臨調の活躍が記憶に新しいですが、「昭和40年不況」に喘ぐ大手企業『東芝』の再建を手掛けた。その改革の手始めが、社長室の大改造とは、土光氏らしい。
 地方自治体のトップの改革でも、実績を残すリーダーは破天荒です。北海道のニセコ町の逢坂町長、鹿児島県の牧園町の前田町長(現在、霧島市長)などは、率先垂範で行動した。逢坂氏の行動パターンは詳しくないが、前田氏の牧園町改革はユニークだった。

 6年前、私も参加していた熊本横井小楠塾の主要メンバーが、ハネムーンウォークのことを聞きに牧園町役場を訪ねた。町長室を訪ねたが、前田町長は町長室に居らず、尋ねると総務部に居ると聞き、総務部に行くと、総務部長の隣に机を並べて仕事をしていた。前田氏曰く「町長室に居ると、役場内の様子がわからない。決断を遅らせるから、総務部に居たが良い」と。正に、率先垂範で行政改革を進める姿を見た、と訪問した仲間から報告があった。
 前田町長が企画した、坂本龍馬とお竜との、日本初の新婚旅行にちなんだ、ハネムーンウォークは今年も4千名を越える人を集めた。

 地方は疲弊している、とよく聞く。東芝のように、慣例的な慣習に流されていないか、常に検証が必要です。公共サービスに携わる人たちは、土光敏夫氏の「社員は3倍、重役は10倍働け」の精神で、地域社会の未来の準備を、現場に足を運び、地域の声を聞き、検証研究し、決断し遅滞なくに実行する。言葉は、簡単だがなかなか難しい。

 そういう私自身も問われていることと思います。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 14:09│Comments(0)リーダーの名言
 
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