2008年03月03日

人に善行を勧める[開運のすすめ]

人に善行を勧める[開運のすすめ]


 人に善行を勧めるとはどのようなことであろうか。

 およそ人として、誰でも良心のないものはない。しかも毎日何となく世間のことに追い回されて、空しく一生を過ごしてしまい易いものである。

 だいたい、人と一緒に居る場合には、いろいろと臨機応変の処置をして人を導き、その迷いを解いてやるべきである。

 例えば、長い夜の夢にうなされているのを、覚ましてやるように、例えば長い間煩悩に陥っているものも、これをひらいて清く涼しくさっぱりと覚らせるように。この恵みというものは、最もあまねく広いものである。

 唐の韓退之は、「一時人を勧めるには口でもって勧め、百世人を勧めるのには書いたもので勧める」と言っているが、このことを、人と善をなすことに比較すれば、形の上のことで表面的であるが、しかし、病気に対して薬を投ずれば、時にすぐれた効能があるように、人と善をなすにくらべて表面的であってもやはり取りはらうことはできないものである。

 もし善行を勧めるのに言葉が適当でなくて、人の気を悪くし、その人を失うようなことがあったならば、深く自分自身の智に立ち返って考えを反省すべきである。


(解説)
 人は良心を持っていても、自分自身の生活上のなりわいや俗事に振り回されて、なかなか思いどおりには行かないで、虚しく一生を過ごしてしまいがちである。

 そのような中にあっても、何とか人の心を良い方向にむかわせ、善行を行うように勧めたいものである。このようなことは表面的であるが、やはり大事でことである。

 もし善意で相手に接しても、気を悪くされたり、その人を失うことがあるならば、その祈りには自分の知恵の足らないことを反省しなければならない。


(感想)
 
 人に良かれと思い行動を起こすことがあるが、こちらの思いと違った反応が返って来ることが多々あります。するとがっかりして、つい態度に出がちですが、それは自分の思いだけで行動し、相手の立場で考えてないことが多いように、これまでの経験を振り返ると感じます。

 人との関係は、作用反作用の関係に似ていると、最近思うことがあります。常に相手の立場、何を感じているか考えて、言葉にすることが大事と思います。

 出来事の成果ばかりを望んでいると、さみしい善事になってしまいます。常に、行為の検証する謙虚さが、善行の進めに必要な気がしています。


*開運のすすめ~『陰隲録』に学ぶ~(永渕道彦訳)
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