2012年12月31日

名著『陰隲録』から、聖王「舜」の行動からリーダーシップとは

名著『陰隲録』から、聖王「舜」の行動からリーダーシップとは

おはようございます。平成24年も本日で最後、明日から新年です。中国古代の王の湯王は、毎朝顔を洗う時、洗面器の縁に「日新たに」の言葉を書き、自分を鼓舞したと言われています。本年の最終日ですが、今日も新しい一日、心新たに過ごしたいものです。

さて、朝の読書で、27日の忘年会に参加くださった、福岡の筑紫女学院大学の永淵道彦教授の著書「開運のすすめ~『陰隲録』に学ぶ~」 は、中国古典の名著『陰隲録』(袁了凡著)から、引用したものをまとめた本です。冒頭の一節に、次の訓示があります。

中国古代の聖王の舜が、人びとを感化した行動を表しています。

(以上、転載)

人と共に善をおこなう

(現代語訳)

人と共に善をおこなうことはどのようなことをいうのであろうか。

 むかし、舜が黄河のほとり住んでいたとき、その漁民たちはみな魚の集まる深い淵や豊かな沢を占領してしまい、しかも老人や子供たちは流れの早い危険なところや浅瀬の漁の少ない中で魚を取らねばならなかった。

それを見て、瞬はあわれみと同情の気持ちを起こし、気の毒に思い、自分からその場所へ出かけていって皆と共に魚を取った。

もし争うものがあるのを見ると、みなその過ちを匿(かく)してやって人に語らず、もし譲るようなことをする者があるとのを見ると、さっそく誉めて手本とした。このようにして一年を過ぎたころにはみな漁のしやすい、取りやすい場所をゆずり合うようになった。

舜が耕作をしたときも、陶器を作ったときも同様に住民たちを不言のうちに教化した。

一体、舜のような深い智慧をもってして、どうして、言葉を出して民衆を教化することができないであろうか。必ずできるはずである。

それなのに言葉を出して民衆を教化せずに、我が身をもって教え、不言のうちに教導し悪より善に転じさせたのである。これこそ良工の苦心というものである。
(以上、「開運のすすめ」より)

>我が身をもって教え、不言のうちに教導し悪より善に転じさせた

国家が大きかろうが、小さかろうが、リーダーの言動は、民衆に大きな影響を与えます。成果は、後の世の人に任せ、日々諸問題に、迅速に対応して行く。その時に、舜の志を忘れてはならない、と思います。

『孫子』にも、「進ンデ名ヲ求メズ、退イテ罪ヲ避ケズ」とあります。意味は、「成功しても名誉を求めず、失敗しても責任を回避しない」。

簡単に言えば、
一、功績を鼻にかけない。
一、責任感の旺盛なこと。

湯王も舜も、この二つの事を、常に毎朝唱えて、日々の仕事に当たったからこそ、今に伝わるリーダーの見本となった。今のリーダーたちがどうか、リーダーシップのあり方を、今日一日頭に置き、テレビ、新聞の内容を考えたいと思います。

年末の長文、最後までお読み頂きありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。


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