2013年10月14日

〈気づき〉葉っぱビジネス、うだつの町並、価値は一つの見方にとらわれない。

〈気づき〉葉っぱビジネス、うだつの町並、価値は一つの見方にとらわれない。

四国から帰路の時間に、今回の四国訪問の成果を振り返った。厳しい地域環境、過疎の現状を逆手に取り、自分たちの現状をマイナス面から発想するのでなく、在るモノの価値を既成概念にとらわれず、地域資源に変える創造が必要とつくづく思いました。人間の思い込み、特に負け意識がやる気を削いで行くと痛感しました。

茶の湯の精神に、次の発想と言うか、価値観があるそうだ。

「物を見たてる」「道具を見たてる」の考え方があるが、この「見立て」という言葉は、もともと「物を本来あるべき姿ではなく、別の物として見る」という意味があるそうだ。

例えば、長年使ってきた道具が古くなった。道具としては用をなさなくても、その道具が命を尽きたわけではない。そこに新たな使い道を見出し、再び別の使命を見出したら、役割を見直すことができる。その精神を茶の湯(禅)では大切にしているとあった。

物の使い道は、人それぞれで用途は決して一つではない。使う人間の心次第で、いろいろな使い道がある。物をどう使うか、それが「見立て」と言うことらしい。最近の経験では、フジツボのたくさん着いた「タコツボ」を海の土産物店で金を払い、大切に持ち帰る女性がいた。「なるほど」と言う理由を語ってくれた。

枡野俊明著『禅シンプル生活のすすめ』に、

「物がある」ことが豊かなのではなく、「物を大切にに使う方法を知る」ことが豊か。

とある。例えに、「石臼がある。今の時代、よほどのこだわりでなければ、石臼など使わない。しかし、石が擦れてもそれで使命が尽きたわけではない。今度はその石を庭に置き、飛び石として使える価値もある」と。

〈上勝町〉
葉っぱビジネス、究極の隙間産業と思います。しかし、苦境にあった限界集落に向かう地域の意識を、まったく違う未来を描き始めた。90歳のおばーちゃんが、「雨の日でも、やることはいっぱいある。休んでいる暇はない」と。

〈脇町〉
美馬市脇町は、以前から行きたかった伝統建築保存地区の代表的地区。「うだつが上がらない」という言葉をご存じでしょうか。脇町は、かつて「藍」の生産で隆盛した町の風情は、最盛期のそのままの建物が残っている。実は、日本の高度成長時代、工業科学が急速に進み、一気に染色産業で「藍」の存在がなくなり、急速に衰退したので、建物の改装もできないほど経済状況が急速に落ちたことで「うだつの町並」が残ってしまった。

これが平成の時代になり、古い街並みに価値を見出す風潮(ブーム)が起き、週末になると見学者が増えはじめた。これは何だ?と気づく人が出てきて、今の「うだつの町」のまちおこしの活動につながった。11日の現地見学で、藍染の土産物店の女性と語ったのですが、「今でも藍染作家の多くは、脇町及び徳島産の藍を買っているはず、もっとその現実も知って欲しい」と語っていた。

〈総合的・時代的な視点〉
今回の四国訪問から、思い込み、自画自賛、等々。「ひとつの見方にとらわれない」、禅の物の価値観をそぎ落とす(シンプル)発想が、現代に必要なのかもしれません。使い捨てから、”もったいない”の価値へ、人間の古き経験も含め、日本から発信したいものです。

参考資料:枡野俊明著『禅シンプル生活のすすめ』


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Posted by ノグチ(noguchi) at 12:28│Comments(0)私の意見
 
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