2008年06月02日

楊栄の事例~善行が子孫を栄えさせる~(開運は善行にあり)

楊栄の事例~善行が子孫を栄えさせる~(開運は善行にあり)

 毎週月曜日の永渕道彦先生の「開運のすすめ『陰隲録』に学ぶ」の一説を紹介します。何かの参考になれば幸いです。



楊栄の事例(開運は善行にあり)

(現代語訳)

楊少師栄は、建寧府の人である。先祖は、代々渡し守をして生計を立てていた。あるとき雨が降り続いたために、渓川が氾濫し、その激流は民家を突き破り、溺死者が流されていくというありさまであった。

このとき川に出ていた他の船はみな流れてくる品物を鉤にかけて取ったが、ただ楊少師の曽祖父と祖父はひたすら人を救うことをして、品物を一つも取ることをしなかった。このことを村人は馬鹿者だとあざ笑った。

 ところが、楊少師の父が生まれるころになると、家運もおこり段々と暮らしむきが豊かになってきて。そのころ神様が道者の姿になって、少師の父に告げていうには、「お前の祖父には陰徳(ひそかに行う善事)があったから、子孫は必ず尊貴となり世に現れるであろう。それ故墓をこれこれの土地に作って葬るがよい」と。
 そこでそのお告げにしたがって墓を定めた。それがすなわちいまの白兎墳である。

 後になって、楊少師が生まれた。二十歳のときには進士の試験に及第し、位は三公にまでにのぼり、曽祖父や祖父にも、父と同様の官が贈られ、子孫も尊貴に栄え、今日もなお賢者が多いのは陰徳の巧によるのである。


(読 釈)

 ここでは、瀕死の者を助ける善行が語られている。このような話から、現代人の我々がくみ取るべきものは、目前の利益を得ることに目を向けず、本当に大切なのは何か、如何に相手の立場を思いやれるかを、常に考えて行動すべきであるということである。

 そして、瀕死の者を助ける善行はその行為自身に明るさをもたらし、感動さえもたらすこともある。俗人はこれを笑うであろうが、自然の理である天意はこの行為の明るさを注目しないはずはない。明るさには多く、人が寄り、良い事がらに通じるからである。


(感 想)

 天意とは、民の声とも言えます。多くの人々が、その行為に賛同し、見えない形で応援をしているように思います。失言で、信用を失うリーダーの多い現在とは違って、先人たちのもの言わぬ、行動(陰徳)こそが、自分自身も明るくするし、周りも明るくして行きます。

 天気の悪い日より、やはり晴れた日に、人が外へ出て行くように、自分自身が明るくなれる言動に努力を続て、自分を明るくすることが大事なように感じます。周りのために、無理をせず、できることを少しづつ続けることが、自分も磨くことにつながるように思います。


*参考資料:開運のすすめ~『陰隲録』に学ぶ~(永渕道彦訳)
      http://mixi.jp/view_community.pl?id=3058451




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