2009年08月25日

(初秋)「しばらくは風を疑うきりぎりす」、早朝の思考

(初秋)「しばらくは風を疑うきりぎりす」、早朝の思考

 今朝は、九州もヒンヤリとした空気で目覚めました。昼の暑さを思うと、朝のさわやかさはとても好きな初秋の気候です。
 さて、俳人の黛まどかさんの「知っておきたいこの一句」の句集に、次の一句がありました。

「しばらくは 風を疑う きりぎりす」(橘 閒石)

(解説から)
 秋風の中で生まれ出た一匹のきりぎりす。歩くことも鳴くこともまだおぼつかない生まれたたてのきりぎりすが、この世ではじめて出合った風に、しばし身をとどめています。まるで、風の声を聞いているかのように。
 人生は風のようなものだ――といった人がいました。風がどこからやってきて、どこへ消えていくのか、それを確認できたひとはいません。命もまた同じです。私たちがどこからきて、どこへ旅立っていくのかを知っている人はいないのです。(中略)

 人は、日々の仕事に追われ、右往左往しているが、早朝の静けさは、そのこと忘れる時間と思います。この句の「きりぎりす」は、生まれた立てですが、人の早朝も似たようなものと思います。

「今日何が起こるのか」、「どんな出来事に遭遇するか」、「どんな危険に瀕するのか」、・・・

 先週の土曜日、「もし数分前にその交差点に通っていたら、・・・」、命は無かったと思える大事故に遭遇しました。

 天は、まだしなければいけない「使命」を持たせて、日々の仕事に就かせているのではないかと思います。偶然の出会い、久々の再会、色々な人との関わり合いの中で、自分の心を育てて行きます。

 一日アッと言う間に過ぎる時間、早朝のちょっとした時間は、朝の空気をゆっくり感じるような一人の居場所があると良いなと思います。

*参考資料:黛まどか編著「知っておきたいこの一句」  


Posted by ノグチ(noguchi) at 07:46Comments(0)私の意見