2021年09月20日

人は自ら足るに止まること能わずして亡ぶ。〜管仲(斉の国の宰相)〜

人は自ら足るに止まること能わずして亡ぶ。〜管仲(斉の国の宰相)〜

なんでも、ほどほどが大事だが・・・

人は欲に目が絡むと、限度を忘れて、突っ走ってしまう。

特に、"俺の思う通りになる"と思ってしまうと、制御が効かなくなる。

冒頭の言葉は、三国志の名宰相、斉の国の管仲の言葉だそうだ。

「富の涯(かぎり)たる、その富すでに足れるものなり、人は自ら足るに止まること能わずして亡ぶ」

【意味】
 富の限界は、それに満足することである。しかし、人間はどこまで行っても満足することを知らず、ついには身を滅ぼしてしまう。

人間の欲によって発展してきたのだが、欲はエスカレートしていき、際限がなくなっていく。

昨日、ベルサイユ宮殿の中をテレビが映していた。貴族社会の贅を尽くした生活、特にルイ14世とマリーアントワネット王妃は、庶民の苦しさを知らずに、諸外国への見栄に金を使った。

革命により、2人は処刑された。

現代も財力によって、見果てぬ夢を見て、宇宙旅行の真似事に、莫大な金を払った人たちがいる。

世界には、食べることにも事欠く生活の人々がいるのに・・・

生き方はそれぞれだが、マザーテレサのは、国際会議に出かけた。しかし会場前にいた瀕死の人を助けるため、会議に出席せず、その人を連れ帰り看病した。

会議はすれど、人は救われない現実。

>人は自ら足るに止まること能わずして亡ぶ。

自らの足る(満足)はどこか?

特に、私利私欲で動く人は、見境なく突っ走ってしまう。

知足(足るを知る)の大事さを、三国志の英雄も説いている。人間の欲とは、いにしえの時代から変わらないのかもしれない。

*参考資料:守屋洋著『韓非子を見よ!』