2008年08月22日

(急ぐ時にはゆとりをもつ)今日に必要な「理想人間像」、他

(急ぐ時にはゆとりをもつ)今日に必要な「理想人間像」、他

 昨日、「急ぐ時には逆にゆとりをもて」なる文字を見て、ハッとした気分になりました。

 8月の田舎は、お盆休みで社会活動から、数日間完全にプライベートの感謝気分をもち、親族を回る「里帰り」「初盆」「夏の成人式」等々、行事がけっこうある。でもこの時期は私とって、とても大切な時間のように思います。

 休日(5日間)を取るためには、仕事を切り良く終えて、休暇に入りたいものですが、いつも上手く行きません。今年も休暇明けから3日間どたばたとして、少々お疲れモードですが、昨日くらいから少し気も楽になり、先輩で仕事仲間でもある、CGデザイナーの方との打合せで、1時間ほど色々意見を交わした。その帰りの車で開いた本「宮本武蔵の人生訓」(童門冬二著)の一節に冒頭の言葉がありました。

 私には、「急ぐ時こそゆとりももて」と聞こえたように感じ、今朝は時々目を通す、産経Webの【正論】に数ヶ月ぶりに目を通しました。
 文芸評論家の新保祐司氏の論文に目が止まり、一気に読み上げました。今、私がとても気になる偉人の一人、後藤新平の理念の基「自治三訣」は、やはり教育にあったと再確認できるものでした。抜粋を紹介します。(以下、検索してお読み下さい)

【正論】今日に必要な「理想人間像」都留文科大学教授・新保祐司
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080725/crm0807250248001-n1.htm

~~以下、抜粋転載~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>「人間の教師」の喪失
>大分県の教員採用試験をめぐる汚職事件は「教育」という人間の精神の根幹に関わる仕事にまで腐敗が広がっていることを見せつけるような醜態である。(中略)今回の「教育」の堕落は、日本人の精神の転落が、何かもう歯止めがきかない段階にいたったのではないかと思わせる。

>中村正直が翻訳した『西国立志編』(サミュエル・スマイルズ著『Self-Help』)ものである。この『自助論』ともいわれる本は、「天ハ自ラ助クルモノヲ助ク」というモットーにあらわれているように、勤勉、自律、倹約などの倫理を、具体的な人物を数多く取りあげて奨励したものである。

>最近、再評価の気運の高い後藤新平も、若き日に『西国立志編』を熟読した人であった。>後藤新平の有名な「自治三訣」(人のおせわにならぬやう 人の御世話をするやう そしてむくいをもとめぬやう)

>今日の日本人がとりもどさなくてはならないのは、独歩の「非凡なる凡人」や後藤新平の精神の基盤を作った「自治」の精神である。「理想人間像」は、「自ラ助クルモノ」に置かれなければならない。「人の御世話をする」気はなく、「むくい」は必ずもとめ、その上「人のおせわに」なるのを当然と考える人間ではなく、「自治」の人こそ、今日必要な「理想人間像」である。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 教職員採用汚職から、日本人の意識を検証したものですが、明治期の青年たちの志の高さと、その子供たちを教育した名も無き教師たちが居る事を知らされます。偉人を育てた人物は必ずいるもので、江戸期の斉藤一斎門下、緒方洪庵門下から、幕末維新、明治初期の活躍した青年たちがたくさん出ています。

 このような私塾が、三百諸藩にいたるとこるに在ったと、歴史研究者からよく聞きます。多くの名も無き教師たちの営々として続けられた「人を育てる」無償の努力こそが、明治の日本の隆盛を支えた底力ではないかと思います。
 
 教師たちに必要な資質は、後藤新平たちが学んだ「天ハ自ラ助クルモノヲ助ク」(自治三訣)の理念を持つことではないかと思います。そして国民も、知識、学歴だけを求める教育でなく、「勤勉、自律、倹約などの倫理」を重視する教育を求める意識をもつ事が必要と思います。
 

 さて、冒頭の宮本武蔵の人生訓ではないですが、今日は外回り、工事現場のチェックと打合せですが、「急ぐ時には逆にゆとりをもて」気分で、時間を詰めてスケジュールを組まず、週末の金曜日ですがゆっくりと仕事をしたいと思います。
 夏休みも後10日ほど、子供たちの宿題に進み具合はいかがでしょうか。良き休日で在ります事を願っています。


<以前の日記>
・食から見た農業を考える-南部九州市長サミット「本来農業への道」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=908189149&owner_id=2182841


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Posted by ノグチ(noguchi) at 09:50│Comments(0)偉人
 
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