2021年04月12日

<人の魅力とは>「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也」〜西郷隆盛遺訓〜

<人の魅力とは>「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也」〜西郷隆盛遺訓〜

昨夜が遅く、朝のウォーキングはお休みで、まだベッドの中で朝(枕上)読書です。大阪大学の名誉教授・猪飼隆明著『南洲翁遺訓』の第30は、ブレない生き方の大切さを説いています。

(以下、本より)

>志を得て世に用いられたなら、民とともに正道を歩み、用いられないときには、一人ででもその正道を歩んでいく、どのような富貴にもこの志は曲げられない、どんなに貧乏してもこの志は変えられない、そんな人物こそ大丈夫なのだというのである。(中略)

>『孟子』に、男子たるものは、仁と礼と義をともに一身に体して行動すべきだ、いいかえるとあ、世の中のあらゆる誘惑や圧迫に屈しない、これが大丈夫というもので、この大丈夫の姿勢を学ぶべきだというのである。(中略)
(以上、『南洲翁遺訓』より)

これは『南洲翁遺訓』の第30にある、有名な言葉があります。

【原文】
三〇 命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。(中略)
(以上、本より)

地位や名誉ばかりを追いかけている人には、この生き方はできない。坂本龍馬は、西郷隆盛を評して、

「大きく叩けば大きく響き、小さく叩けば小さく響く」

と語っています。世で活躍しても、しなくても、その人は変わらない(大丈夫)と言っています。

金持ちなっても、貧乏になっても、その本人は何も変わらない。それこそが、人間の生き方なのかもしれません。西郷隆盛の魅力とは、そこにあるのだと思います。


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