2010年08月07日

道(学問)を人に教える難しさ、「犂牛(りぎゅう)の子」

道(学問)を人に教える難しさ、「犂牛(りぎゅう)の子」(『論語物語』)

 今朝は、「宇土親子論語教室」び2月続けての参加が叶いました。夏休みで、学童保育の子供たちは、夏休みで大人が多い、親子論語教室でした。

 最初に、「いのち」の連続の話がありました。保育園や小学校低学年向けの本の一節を紹介されました。それは、自分が居て、父母がいて、祖父母がいて、曾祖父母がて、さらにその先祖をたどって行くと、10代目には104万人になる、いのちの連続の話です。
 命とは尊いのに、ここ数日ニュースで何度も報じられている100以上のお年寄りの居所不明の問題。誰が悪いのかより、父母への感謝の思い、先輩に感謝を忘れない、習慣(家庭教育)の欠落があるのではと、論語教室の参加者から意見が出ていました。
 途中、童謡の曲(金魚の昼寝、山寺の和尚さん、一寸法師)を歌い、子供たちが、書き取りをして前半は終了しました。

 後半は、仮名論語の素読をして、意味を考える時間です。その教えは、孔子の高弟の仲弓(ちゅうきゅう)が懸命に学び、その評価を孔子が手放しで褒めるのを脇で聞いていた他の弟子たちが、色々理由づけをして非難する。
 氏素性、親や周りのこと、以前の失敗、等々並べ立てては、非難の噂話をします。そのことが孔子の耳に入り、若い弟子たちを誘って外(野山の散策)へ出かけます。色々は意見を孔子は黙って聞きながら歩く中で、牛に群れに出会いました。
 親牛は、まだら模様がほとんどなのに、孔子が一色で赤い見事なものがありました。孔子が、「みごとな牛じゃのう」、皆は興味がない。再度孔子が、「あれなら、大丈夫祭壇の犠牲になりそうじゃ」と、皆は(孔子の探しと思い)「見事な牛ですね」と相槌を打った。

 ところが孔子の目的は、氏素性や過去の失敗と言う固定観念(まだら模様)から抜け出し、立派になった赤い子牛(仲弓)をそのままに評価をしないさい、という教えを野山を歩きながら、回りくどく説いた。
 教育は、答えを教えるのではなく、気付かせることが大事と言われます。この後も、仲弓の人物の成長を喜び褒める意味を、若い弟子たちに気付かせるために、孔子は外へ出て周りの状況から、考えさせる教え方を実践しました。
 (以上、下村湖人著「論語物語」参考)

 「あれは、どこの生まれ」
 「親は、祖父母は、どんな人物、どんなことをした」
 「昔は、どうだった。あいつは、むりじゃ」
 「一時のことよ」
等々、悪口はいくらでも出てくる。孔子は、周りの環境は無視し、本人の人物を客観的に評価することの大切さを教えているのだと思います。孔子に見出された仲弓は、よき縁とは思いますが、孔子に逢えるようになるまで、努力を怠らなかった仲弓自身も素晴らしいと思いました。
 人間、努力を続けていれば、誰かが見ていてくれるのだなと思いました。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 15:10│Comments(0)宇土の出来事
 
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