2011年12月07日

土光敏夫氏「わしは行革と心中じゃ」、4条件とは。

土光敏夫氏「わしは行革と心中じゃ」、4条件とは。

 『行政』とは、仕事が自然に増えて行くような仕組みになっている。ですから、常に時代変化に合わせて、検証して改革をしなければならないと、考えて来た。
 『行革の鬼』と言われた人がいた。鈴木善幸首相とタッグを組み、国鉄民営化に取り組んだ、土光敏夫氏だ。経団連会長から、臨調会長に就任し、大ナタを振るい日本の赤字3K(国鉄、コメ、国保)改革、と特殊法人の整理に、高齢を省みず、激務に挑んだ方です。
 
 政府も地方自治体にも、さまざまな審査会、審議会があり、答申がなされるが、数年すると、本棚の隅で埋もれてしまう。識者が改革案をどれだけ出しても、実施されなければ絵に書いた餅でしかない。
 土光敏夫氏は、絵に書いた餅にしないように、先ず鈴木善幸首相に、臨調会長就任の条件を突きつけた。
1、政府は行政改革の答申を必ず実行すること。
2、増税なき財政再建を貫くこと。
3、地方の行政改革も同時に進めること。
 土光氏は、「これを呑まなけば、臨調会長に就任しない」と、膝詰め談判に行くと、鈴木首相はこの条件を、あっさり受け入れ、そこから2人の大改革が始まった。
 国鉄民営化は、大変な抵抗があったが、実施され現在のJRが誕生した。しかし、その時のコメ改革は、その後、改革が上手く行かず、今回のTPPまで問題を引きずって来た。要は、答申を受けた側の実行する能力(決断力)にあると思います。
 次の政権の中曽根内閣に、この臨調答申が引き継がれ、国鉄民営化、電電公社民営化、専売公社民営化が決断され、現在のJR、NT T、JTが誕生した。行政改革は、常にやらなければならない。それは、社会が変化し、市民の要望も常に変わって行くからです。
 
 その後、中曽根内閣は大型間接税導入を告知し、竹下内閣が消費税を導入した。増税なき財政再建も、実施されなかった。国民の要望は、行政改革の大ナタを受け入れなかった。だから、常に行政の検証と見直しを、志ある識者が入れ替わりながら、続けることが必要と考えています。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 05:35│Comments(0)偉人
 
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