2013年12月24日

リーダーの年老いた“愚痴”ではなく、「一生勉強」の志を持ち続ける行動力ではないか。

リーダーの年老いた“愚痴”ではなく、「一生勉強」の志を持ち続ける行動力ではないか。

おはようございます。冬空の熊本です。昨夜のテレビは、フィギアスケートのソチ五輪代表で沸いていました。日本のフィギアスケート人気は、世界トップではないかと思います。男女6人の選手に活躍を願います。

そろそろ年賀状も書かなければと思いつつ、今日も打ち合わせが続きます。世はクリスマスイブです、今日の熊本日日新聞の「読者の広場」の投稿欄に、7歳の少女のサンタさんへのメッセージ「サンタさんへ ゆいなより♡」の文がありました。素直な心で、サンタクロースにお疲れ様の労いの言葉が綴られています。心がほっとする気分になりました。

小学生がもつ夢(未来)は、計り知れない無限の広がりと時間から、地球を駆け巡ります。熟年とは何才からでしょうか。昨夜紹介した政治評論家の内田健三氏が、80歳を前にされた頃に語られた言葉があります。「身体は弱って行くが、精神(心)はどれだけでも成長する。一生勉強ですよ」と。

内田氏は、熊本県八代市の出身で、学徒動員で中国の満州ソビエト国境で終戦、戦後は、ジャーナリストとして官邸を中心とする政治記者となり、共同通信の論説委員長を務め、後に法政大学で「政治学」で教鞭を取り、久米宏氏の報道番組「ニュースステーション」では、政治評論家として辛口のコメンテーターとしても活躍された方です。80歳を前に「一生勉強」と言わしめる前向きな人生観を知りたく思い、回数はすくなかったですが、内田氏の語られる言葉に、真剣に聞き入ったことを思い出します。

数日前に古本屋で見つけた、日経ビジネス文庫の、組織を動かす言葉『有訓 無訓』、にビューティフルエージング協会の渡辺弥栄司氏が、通商産業省の在職中に経験した、日中国交回復に至るエピソードを書いていました。

(以下、本より抜粋)

日中国交回復に功績のあった岡崎嘉平太さんが、周恩来首相と会った瞬間のことです。

周恩来氏は、若い時分、昼は国民党の刺客から逃げ回り、専ら夜活動した習慣から、深夜になると頭脳が最も冴えるという。それで岡崎さんのような大事な人と会うにぜひとも、先方のたっての希望でそんな時間になったのですね。当時の私のメモには「周恩来の目は七色に輝く」とあります。怒るときは真っ赤な目、「美しい地球を作りましょう」と語る時はブルー。対談後宿に帰った午前三時、岡崎氏と興奮と感激を皆で語り合ったものです。
(以上、『有訓 無訓』より)

この出会いに至るまでには、岡崎氏が通商産業省内で非難を浴びつつ実行した、官僚の中国の語学・政経を学ぶ省内学校「日中学院」で学んだエリート45人の侍の存在があったと書かれていました。1年以上かけ、中国語で仕事のできる人材を育成し、岡崎氏は通商産業省を49歳で辞め、北京へ出向き「覚書貿易事務所」で、部下を同伴し働きます。地道な、岡崎氏と周恩来首相と築いた信頼は、田中角栄首相を得て、日中国交回復が実現します。以来、友好関係は30年を超え、現在、経済発展では日中の連携がますます広がっています。

しかし現在の日中関係は、中国の軍拡で緊張状態になり、東南アジアの友好国ともいざこざが絶えない。日本が政権交代している間に、急速に拡大志向が強まっているように感じます。今必要なことは、岡崎氏と周恩来首相とが東アジアの未来を見据え、深夜に語ったようなリーダーたちの真剣な親交が必要な気がします。

日本は、日露戦争の開戦前夜、世界に優秀な人材を配置し、情報収集はもちろんですが、リーダーたちの真剣な交流が続けられていたことは、歴史が証明しています。東アジアの緊張を解く鍵は、リーダーの年老いた“愚痴”ではなくて、政治評論家の内田健三氏のように「一生勉強」の志を持ち続ける行動力ではないかと痛感します。

今日は、午前中は私の愚作の本の引き取りに、知人の本の流通卸に出向き、午後は建築の今年最後の打ち合わせです。来年がどんな年になるかは不明ですが、内田健三氏の志に少しでも近づけるように、日々真剣に生きたいと思います。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 09:26│Comments(0)偉人
 
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