2009年10月29日

一緒に学べても、一緒に同じ道を行く事は難しい

一緒に学べても、一緒に同じ道を行く事は難しい

(現代語訳)
 知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず

(意味)
 知者は道理を弁えているので惑わない。
 仁者を私欲すてて天理のままに生きようとするので、心に悩みがない。
 勇者は意志が強いので何物にもおそれない。


(現代語訳)
与(とも)に共に学ぶべし。未だ与に道に適くべからず。
与(とも)に道に適くべし。未だ与に立つべからず。
与(とも)に立つべし。未だ与に権るべからず

(意味)
 一緒に学ぶことはできても、一緒に相携えて同じ道を行く事は難しい。
 一緒に同じ道を行く事はできても、しっかりと信念を持って一緒に世に立つことは難しい。
 一緒に立つことはできても、心を同じくして物事に応じて正しく判断して進むことは難しい。


(感想)
 二つの教示を読むと、人間社会の中で「志」を抱き、仲間を募り、行動行動を続ける難しさを感じます。しかし、友と共にしか、社会改革はできないことも事実です。
 論語の冒頭にある、
「学びて時これを習う、亦説(よろこ)ばしからずや。朋遠方より来る有り、亦楽しからずや。人知らずし慍(うら)みず、亦君子ならずや」
自分自身の志と実践こそ、人格を向上させる最善の方法と思います。

日々、「仮名論語」(ポケット版)を持ち歩き、自省の材料にしています。

*参考資料:伊與田覺訳著「仮名論語」


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Posted by ノグチ(noguchi) at 08:22│Comments(0)孔子の教え
 
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