2013年12月16日

【慎独のすすめ】故に君子はその独りを慎むなり。日本は性善説か、性悪説か。

【慎独のすすめ】故に君子はその独りを慎むなり。日本は性善説か、性悪説か。

今朝は、明日から天気がくずれるので、冷え込みが弱かったように感じます。

今日、韓国・忠清南道の熊本事務所を訪ねるからではないが、先週末の「親子論語教室」での意見交換の中で、猪瀬東京都知事の選挙資金疑惑が話題になった時、塾長から「独慎」教えが、中国古典のいくつかの教示と共に、紹介された。論語教室から帰って、いくつかの解説本を開く中で、次の一節を見つけた。

「他人に内緒でこっそりしたことは、かえって人に知られてしまう。秘密にしておきたいことが、かえって世間に知れわたってしまう」

日本社会は、性善説が重視されて来たと思うが、儒教の発祥地の中国や、日本へ論語文化を伝達した朝鮮半島は、どちらかと言うと性悪説に重きを置いてきたような文献をよく見る。ただ、性善説にしろ性悪説にしろ、学問を重視する考え方は根底にある。

性善説:人間の本性は善である。もともと立派な素質持って生まれてくるのが人間である。人間を信頼する立場に立つ考え方。

性悪説:人間の本性は悪である。人間とは信用しががい生き物とする人間観から見ている。

中国大陸や朝鮮半島は、紛争が起こりやすい地域性がある。確かにこれまで、朝鮮半島の紛争には、日本も関わって来た。中国は、有史以前から、革命を繰り返して来た歴史も持つ。それに引き換え、日本は島国という条件もあったが、聖徳太子の「和」を重要視して来た歴史がある。社会の安定から、性善説が重視されてきたのではないか。

ここ数日の北朝鮮の粛清には驚くばかりだが、日本では考えられないが、大陸の歴史を検証すれば、あり得る出来事かもしれない。権力者は、危険分子探しを常にやっている。これは、この平和な日本でもあり得る。だからこそ、「独慎」が必要だなと感じます。

近ごろ、この立派な日本の伝統「独慎」が薄れてきているように思われて残念です。法の網をかぶせて、取り締まりを強化することも必要ですが、その以前に、一人ひとりが自覚し、悪に走ろうとする心にブレーキをかけることが、もっと大事ではないか。加えて、独りになり静かに自分言動を反省することができれば、自分を向上させることにつながるし、人間的成長を促すと思います。

来週は、年末の挨拶回りが多くなるので、実質的な仕事は今週が大事です。今日は約束もあり、早めに外回りへ行こうと思います。曇り空で、気温も上がらないので、寒さ対策をしっかりやって外出したいと思います。

*参考資料:守屋洋著『四書五経の名言録』より


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